ちょっと甘めの、カレー風味の生地にくるくると具材を巻いて
田口 まずはクレープ生地の仕込みからご説明しますね。ボウルに薄力粉(バイオレット)、グラニュー糖、カレー粉を入れ、卵を混ぜ合わせます。そこに溶かした無塩バターを入れて、さらにかき混ぜていきます。
―― クレープの生地には溶かしたバターを入れるといいんですね!
田口 そうなんです。溶かしたものを入れたほうが、生地が伸びてすぐなじみます。バターを入れるとコクとなめらかさが出るので欠かせない材料ですね。次に牛乳を入れますが、まずは全体の5分の1ずつ、かき混ぜながら入れてください。これで一旦、生地はできましたが、1時間ほど冷蔵庫で休ませるとよりなめらかになります。
―― もうすでにほんのりカレー粉のいい香りがしますね。生地も程よく黄色味がかかっていて焼き上がりが楽しみです。
田口 うまく焼けるといいんですが(笑)。直径20㎝程度のクレープ用のフライパンを使いますが、なかったらご自宅のフライパンでも大丈夫です。まず、フライパンを中火で温め、小さじ1杯分ほどのオリーブオイルを入れて全体に油を行き渡らせます。そして余分な油を容器に移し、加熱したフライパンを一旦、ぬれ布巾の上に置きます(容器に移した油は次の生地を焼く時に再度使用)。
―― フライパンの温度を下げたほうがいいんでしょうか?
田口 生地が薄いので、そのほうがうまく焼けるんですね。おたま1杯の生地をフライパンに入れ、フライパンを回しながら、生地を全体に行き渡らせ、中火で焼いていきます。生地の周りが乾いて焼けてきたら、さい箸やヘラで周囲を軽く剥がし、裏返して両面を焼きます。
―― こんがり、いい色に焼けていますね! 焦げ目も程よく入っておいしそう。
田口 お砂糖が入っているので、焼き色も良くなりますよ。ちょっとした焦げ目も、生地の表情として楽しんでもらえたらいいかなと思います。何枚か焼いていくと、慣れてくるのでどんどんいい焼き具合になります。さあ、焼き上がったら、お好みの材料を載せて巻きましょう。おすしを巻くような「巻きす」があるとやりやすいですが、ラップでもOKです。しっかりと水気を切った野菜やハム(または焼き豚)を載せて、生地の両端を中に折り込みながら巻いていきます。
―― 生春巻きを巻くみたいな感じですね。トマトとか水分が多い野菜は避けたほうがいいでしょうか?
田口 トマトもおいしいですけど、もし時間を置いて食べるのでしたら、なるべく水分が出にくいものがいいですね。苦手じゃなければセロリもさっぱりして口当たりがいいですし、パプリカも甘みと彩りが豊かになるのでおススメです。お子さんと「中に何を入れようか?」「何が合うかな?」と想像を膨らませていただくのも面白いかもしれません。