障がい児を産んだ親への逆風が社会にはある

野田 まずは受け入れてもらうかどうかが大きなハードルですから。特別支援学校に入れようというときも、「うちは知的障がいの子が入るところです」という反応ばかりで、入ってからもしばらくはごはんを食べさせるために私が学校に通っていました。うちの息子は東京都のプロジェクトに選ばれた学校に通うようになりましたが、新設校でもない限りなかなか対応できないというのが現状のはず。すると、皺寄せが来るのは親です。1日中ずっと親が付き添うなんて、変だよね?

駒崎 まったく変だと思います。

野田 授業の邪魔にならないように、教室の隅に段ボールを立てて息を潜めているらしいですよ。「いつでも子どもに対応できるよう、トイレにあまり行かないでください」と言われたり。先進国と思えないですよ。その役割を担うのは多くの場合母親ですが、彼女たちの人生はどうなってしまうのか。「自分が産んだんだから世話するのは当然でしょ」という見方はおかしくて、では障がいのない子どもたちのお父さんやお母さんは毎日学校に付き添っていますか?と考えてみてほしいと思います。

 障がい児を産んだことがまるでペナルティーのような逆風は常にビンビン感じます。親の立場としては子どもへの申し訳なさも感じてしまうから、自分で抱え込んでしまう人が多い。私くらいしか言い返せる人いないですよね。でも、その自己犠牲がどれだけ国にとって損になっているか。親の弱みに付け込んで、教育行政もすべて親に押し付けてきたけれど、変わっていかないと

駒崎 当事者として強い言葉を発信できる野田さんが大臣職に就いたというのは大きいですね。現在は、医療的ケア児を預かる、教育する運営者の経済的負担を是正する動きが進みつつあります。

野田 運営する側の立場として、あなたたちがどうやったら健全に回っていくか、よく考えて意見をください。持続可能であることが大事だと思います。

駒崎 はい。一緒に少しずつ変えていけたらと思いますので、よろしくお願いします。話は変わりますが、野田さんが総務大臣になられて早速なさった仕事として、「国家公務員の旧姓使用容認」ということがありました。あれはかなりグッジョブでした。