【ファミリーのプロフィール】
夫…37歳、大手通信会社の営業職
妻…35歳、食品メーカーでマーケティングを担当
長男…3歳
結婚5年目、都内在住
1年間の育休で“専業主夫”に
初めての育休から3年。長男もあっという間に3歳になり、にぎやかな毎日を送っている。仕事の疲れがたまった週末に、エネルギーの塊のような息子の遊び相手を務めるのはなかなか体力を消耗するが、子どもと触れ合う時間は、やはりかけがえのないものだと思う。
そんな中、妻が第2子となる女の子を妊娠した。新たな命の訪れを夫婦で喜び合ったが、共働きでどうやって2人の子どもを育てていけばよいものか。夫婦で相談した結果、今回は思い切って僕が1年間の育休を取ることに決めた。
息子の育休を取ったときに感じたことは、2カ月では短く、僕が職場復帰した後の妻への負担が大きかったということ。ただでさえ今回は2人の面倒を見なくてはいけなくなるのだから、状況はより深刻だ。
加えて仕事面での事情もあった。出産時期は僕が関わっている大型案件がちょうど手を離れるころなのだが、逆に妻のほうは大規模な新商品開発プロジェクトが進行中なのだ。妻にとっては今がキャリアのうえでの勝負時だということは、同じビジネスパーソンとしてよく理解できる。僕の仕事が佳境でどうしても早く帰れない時期には、妻が息子の送り迎えや家事をほとんどやってくれた。だからこそ、今度は僕が引き受ける番だと思う。
妻は産後休業のみで職場復帰し、僕が1年間、“専業主夫”となることにした。しばらく収入は減るが、半年間は給料の67%、それ以降も50%の育児休業給付金が支給される。社会保険料が免除されたり、所得税が非課税になったりするため、手取り額はそれ以上だ。多少は貯蓄もあるし、なんとかなるだろう。
上司に1年間の育休を取りたいと話すと、「えっ」と一瞬固まっていた。育休自体は周りでもちらほら男性社員で取る人が出始めているので、以前ほど驚くことではないはずだが、やはり1年というのはまだまだレアなのだろう。とはいえ、女性が1年間育休を取ることは珍しくないことなのだから、本来は男性が取ってもおかしくないはず。今回は特に妻がすぐ職場復帰したい事情があり、わが家にとってはこれがベストの選択であることを話すと、上司も「なるほどな」と分かってくれたようだった。
同僚の反応も、驚かれたり心配されたりと何やら微妙なものが多かったが、その中で女性社員たちからは「やるねえ、頑張って!」と好意的な声をかけてもらった。背中を押してもらえた気がして、うれしかった。
職場よりも拒否反応が大きかったのは、僕の実母だった。いわく、「あなたがそこまでする必要あるの?」。専業主婦として生きてきた母にすれば、恐らく想像もつかないことだろうし、言葉に悪気がないことは分かる。とはいえ、理解してもらうのは一苦労だった。
次ページから読める内容
- 同時多発的に発生する育児タスクに右往左往
- タイムマネジメント能力が向上
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