お受験する派、しない派、どちらの言い分も分かる

 しかし…子育てで悩んだときにネット検索すると、情報があふれ過ぎていて逆に混乱してしまうもの。お受験する派、しない派、それぞれいろんな考え方があって、どっちの言い分にも、なるほど!と感じるところがあるんですよね。

 例えば、こんな感じに。

 公立派 「いろんな子どもたちの中で社会を学ばせられる
 私立派 「それぞれ教育方針に特徴があるから子どもの個性を伸ばせる
 (どっちも分かるー! ←心の声)

 公立派 「親がレールを敷かないほうが自分で人生を切り開く力がつく
 私立派 「その先の受験がないから、その時間を好きなことに打ち込ませてあげられる
 (両方、魅力的ー!)

 公立派 「近くて安い
 私立派 「高いけど設備がいい
 (近くて安いのいいねー! でもキレイな学校も憧れるー!)

 もうね、キリがないわけですよ。

ビジョンがないのに進路を選ぶ難しさ

 しかも、公立も私立も学校によって校風が全然違うから、選択肢の数がハンパじゃない…。自分のことならこんなに悩まないけれど、子どもの人生となると責任を感じて余計に悩んでしまいます

 何か一つ「絶対コレ!」っていう決め手があれば気が楽なんですけどね。

 とにかく偏差値の高い学校に入れたい!とか、自分の母校に通わせたい!!とか、安西先生のもとでバスケがしたい!とか(突然の『SLAM DUNK』ネタ)。

 ああ、ビジョンがないのに進路を選ぶって、なんて難しいんだろう…! 何となくでも「将来こうなってほしい」みたいな希望があれば、そっちの方向へ導いてあげればいいのでしょうけど…今のところ、そういうのも無いし。

 そう考えると、私の母はある意味、方向性が一貫していました。自分が札幌から四国の田舎町に嫁いできたことから「子どもたちも一度は都会に出て、外の世界を見てほしい」という考えのもと、ライトな洗脳をし続けていたので、私は幼少期から何の疑いもなく東京を目指し、首都圏の大学へと進学することになりました。

 しかし…わが子はといえば、人生のスタート地点が東京のど真ん中。もちろん、東京に生まれたから勝ちってわけじゃないけれど、「私が18歳まで抱き続けた大都会への夢をコイツはあっさりかなえてるんだな」と思うと、もう何を望むでもなく「いいさ、好きなように生きてくれれば」って感じちゃうんですよね。

 もしかしたら、私の決断が子どもの人生を左右するかもだなんて、おこがましい考えだったのかもしれません。そもそも私自身に、人生を左右できるほどの信念がないのですから…。

 唯一の希望は、子どもが自分の好きなことを見つけて、自分の翼で羽ばたいてくれること。きっと学校選びにそこまで深刻にならなくとも、どんな環境だって子どもは子どもなりに自分の生き方を見つけてきてくれることでしょう。

 というわけで、今のところ幼稚園のお受験は静観しているわが家。もしかしたらこの先、お受験を考えるときが来るかもしれませんが、周りの動きに惑わされることなく、「うちのスタンス」で冷静に見極めていければいいなと思っています。

 ちょうどDUALでも、受験&進学特集が始まりましたね(「『将来は早慶以上』『留学は必ず』 進路への本音」「小・中・高校受験の特徴 わが子に向いているのは?」)。まさに興味のあるところ。読んでお勉強してみようと思います。