英語を習得するより、多様な言語・文化があることを伝えたい


藤村美里さん

―― 最初のきっかけは、わが子が様々な国籍やバックグラウンドを持つお子さんと触れ合う機会を増やしたいということでしたが、日本国内でインターナショナルスクールに通わせようと考えたこともありますか?

粟野 保育園に入れる時点では選択肢にはありませんでした。近所のインターナショナルスクールは費用が高額ですし、英語で教えるスクールがほとんどですが、夫はフランス人。私たち夫婦は共に英語が母国語ではありません。言語に関しては、もちろん英語はできたほうがよいのですが、必ずしもネイティブスピーカーレベルでなくても良いのではないかと思っています。色々な国の文化や多様な人がいることを知ってほしいという気持ちはありますが、インターナショナルスクールに入れることだけがその方法ではないという思いもあり、それがNPOの活動にもつながっています。

 日本人として、フランス人として、育っていってほしいという気持ちがある一方で、日本やフランスとは違う国があって、色々な人がいるということをまずは知ってほしいし、少しでも触れてほしいという思いがありました。

 私自身も帰国子女というわけではなく、新卒で勤めた会社を辞めた後にインターンシップに行ったオランダで本格的に英語を身につけました。ハウスメートたちも多国籍で多種多様。それなりにカルチャーショックもありましたが、そこで多様性の面白さや重要性を実感したんです。

―― なるほど。そうなると、お子さんの第一言語は日本語、その次がフランス語になりますが、ご家庭では何語で話していますか?

粟野 私たち夫婦の会話は英語で、私と子どもたちは日本語、夫と子どもたちはフランス語を使います。なので、子どもたちはあまり英語を話しません。フランス語は、上の子も下の子も理解できているようですが、フランスにいる同年齢の子どもたちよりはボキャブラリーなども少ないと思います。

 今は日本の公立保育園に通っているため、日本語は毎日お友達から色々な言葉を吸収してきています。良い言葉も悪い言葉もたくさん覚えてくる年頃ですよね(笑)。同年代とも話しているので、日本語はとても自然体でネイティブだと思いますが、他の言語は大人としか話していないので、子どもにしては少し不自然な感じかもしれません。

 ただ、「グローバルおさんぽ」などのイベントでは、「この人は日本語もフランス語も通じない」と認識したら、頑張って英語で話しかけたりしているようです。子どもって本当にすごいですよね。