日本にいながら、家族みんなで外国人と触れ合えるイベントを企画するNPO法人「ザ・グローバル・ファミリーズ」。この団体を立ち上げた粟野瑞季さんは、フランス人の旦那さんとの間に6歳と3歳のお子さんがいる働くママです。外資系企業ならではの好環境で時短勤務をしながら、パラレルキャリアにも挑戦している粟野さん。とても自然体な魅力が溢れるインタビューとなりました。

訪日外国人家族を案内した体験が「グローバルおさんぽ」の企画に

粟野瑞季さん
粟野瑞季さん

藤村 育児と仕事の両立に加え、NPO団体をスタートするというのは大変な労力が必要だと思うのですが、どんな動機があったのでしょうか?

粟野さん(以下、敬称略) 外資系の企業に勤め、夫はフランス人となると、東京で暮らしていても、周囲に外国人がたくさんいる環境です。でも、その外国人というのは大人ばかり。上の子が大きくなるにつれて、大人だけではなく年が同じくらいの多様な国籍やバックグラウンドを持つ子どもと触れ合う機会が大切なのではないか、そのような機会をもっと増やしてあげたいと感じていました。

 そこで、子連れで来ている訪日外国人家族と、子連れで一緒におでかけして、1日一緒に過ごすという活動をしてみたんです。子どもたちも仲良くなって、大人たちもいつもとは違う経験をして、ということを自分でやってみて「これはすごく良い!」と思って。友達家族にも勧めたところ、皆とても良いアイデアだと言ってくれたので、活動を広げていくためにも、NPO法人として団体を立ち上げることにしました。日本にいながら“グローバルな体験”をしたい人は周囲に沢山いたので、ちゃんと活動できるように団体を作ったという感じでしょうか。

 ただ、この家族で案内する「グローバルおさんぽ」というイベントを中心に活動していこうと思っていたものの、訪日外国人家族へのリーチが難しく、なかなか活動が広がっていかなかったので、まずは日本人も外国人も一緒に楽しめるような家族イベントを企画していこうということで、今はそのイベント活動がメーンになっています。

―― 「グローバルおさんぽ」という活動のイメージが強かったのですが、最近ではイベント活動が主流なのですね。

粟野 そうですね。イベントは、日本在住外国人がターゲットとなりますが、実は「グローバルおさんぽ」も、日本で暮らしているけれどなかなか地域に溶け込めず、日本人との繋がりが持てていない家族などにもニーズがあり、参加したいと言われます。

 イベントの内容は、こどもの日に鯉のぼりを作ったり、東京タワーの展望台でヨガをやったりと様々です。毎回、英語で実施していても日本語のサポートも入れているので、国籍や言語の壁なく誰でも参加できるような内容にできるよう工夫をしています。