1カ月のお小遣いは二人で30万円!

 1カ月のお小遣いは決めてますか?

 いえ、全く。

 貯金額も知らないくらいでしたので、生活費を出し合った後のお金は使うもためるもお互い自由、という感じです。

 一定の生活費を出し合ってあとはお互い関知せず、もしくは家賃は夫が負担してそれ以外は妻が負担して何となく分担してあとは関知せず、みたいなやり方は共働きで収入の高いご夫婦ですと珍しくはないんですね。それで支障がなければ構わないですけど、家を買った後もそれだとマズイので家計の構造を把握してくださいということになります。生活費が30万円で貯金が134万円はちょっと少ないかなという点も気になりましたので。

 貯金はこれくらいためよう、みたいに考えてはいましたけど、お小遣いの額は意識したことなかったです。

 奥様は貯金額を見ればしっかりためるタイプだと思いますけど、それでもお小遣いは目安をある程度決めたほうがいいかなと思います。今いくら使っているかざっくり計算してみます。生活費が毎月30万円ですよね。ウチでは「基本的な生活費」と呼んでいるんですけど、家賃、光熱費、食費・雑費、保育料、携帯料金、保険料なんかは全部ここから払ってますか?

 保険料と携帯は別です。

 ではそれも加算して計算します。

■ 収入 合計936万円

手取り収入 400万円+500万円=900万円
家賃補助 3万円×12カ月=36万円

■ お小遣い以外の支出と貯金額 合計584万円

生活費 30万円×12カ月=360万円
保険料 5.5万円×12万円=66万円
携帯料金 2万円×12カ月=24万円
貯金額 妻34万円+夫100万円=134万円

■ 差額=お小遣いや趣味的な支出、臨時出費など

936万円-584万円=352万円
352万円÷12カ月=約29.3万円

 年間のお小遣いはお二人で352万円、1カ月当たりに直すと29.3万円、大体30万円くらいですかね。半々かは分からないですけどざっくり考えて一人15万円、まあまあな額です

 ……(絶句)

 この中には先ほど伺った基本的な生活費以外の支出はすべて含んでいますから、純粋な意味でのお小遣いだけではないんですけど。家具とか家電を買い替えたり、旅行とか帰省にかかったりする費用も込みの金額です。

 それでもそんなにたくさん使ってるんですね……。

 うーん、30万円が多いか少ないか、そこは何とも。ただ30万円という数字は初めて認識したと思います。収入と貯金額が分かれば、家計簿をつけていなくてもお小遣いがいくらか推定することは難しくはないんです。お二人のように一定の額を予算として決めて、その範囲内でやりくりするのも一つの管理方法です。

 家計簿をつけてなかったので把握は無理だと思ってました。

家計管理を複雑にするのは、共働き家庭にとって時間の無駄

 そうでもないんですね。お二人の場合は生活費は30万円と分かっていたので計算は簡単でしたけど、そうでなくても食費を除くと「基本的な生活費」は引き落とし系が多いのでざっくりと把握することは十分できます。

 言われてみるとそうですね。

 一般的な家計簿はすべての支出をカテゴリごとに分類しますよね。そのうえで食費はいくら削れるか、光熱費はいくら削れるか、みたいな話をFPはよくするんですけど、意味がないというか徒労です。千円単位で支出を削らないと生活できない人はやるべきですけど、共働きの夫婦にとっては時間の無駄ですし、そもそも家計簿は細かくカテゴリに分類するほど把握するのが難しくなるんです。売り上げが20兆円以上のトヨタ自動車でも本業の利益を計算するときは「原価・利息・販管費」と大きな分類では3つしか費用のカテゴリは作っていません。企業会計も家計管理も考え方は一緒です。家計の管理を複雑にやる必然性はゼロです

 じゃあ生活費とお小遣い、くらいの分類でいいんですね。

 ハイ、それで十分です。今は家計簿アプリがありますから、そういったものを使ってください。

 お小遣いはやっぱり削ったほうがいいですよね? こんなに多いのはやっぱり帰省とか旅行とかかな。今年は高い買い物はしてなかったと思うんですが……。

 収入が高いことを考えれば使い過ぎかどうかはお二人で判断してくださいということになりますけど、今後は住宅ローンの返済を考えるとバランスを取る必要はあるかもしれないです。奥様がフルタイムに復帰した後も今と同じ生活費ならば貯金額は倍以上に増えますけど、住宅の予算が大きいですから。住宅ローンの返済プランも併せて考えてみましょう。

――特集第2回の記事で、住宅ローン返済について詳細に見ていきます。

■第2回 42歳の夫婦は7500万円のマンションを買えるか

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(イメージカット/鈴木愛子)