「ぜひパパと息子に見てもらいたい!」

 このミュージカルは「父と息子」を描いた物語。猛烈に「これは、わが家のパパと息子にも見て欲しい!」と思い、パパと7歳の息子に観に行ってもらいました!

 会場の赤坂ACTシアターは、東京メトロ千代田線「赤坂駅」から徒歩1分と駅から近く、子連れでの観劇も楽々です。4歳以上観劇可(チケットが必要になります)で、膝上観劇は不可。上演時間は約3時間(途中休憩1回あり)です。

 パパと息子の2人だけで舞台を観るのは、初めての経験。

 「まだ7歳なのに…3時間も座って観られるかな。大丈夫かなあ…」とちょっぴり心配していたパパ。一方、息子は「ねえ、こわくない? こわいお話だったら、どうしよう」と不安そうでした。しかし、3時間後には満面の笑みで劇場から出てきました!

パパ 「とても見応えのある話だった。子どもが出るミュージカルって、つい親目線で、少し学芸会的な感覚で見てしまうことが多いんだけど…とんでもない! ダンスも歌も演技も、全てにおいてハイクオリティの舞台だね」

 そこで私が「父親目線で見てどうだった?」と聞くと、こんな返事が。

 「ビリーのお父さんたち炭鉱夫が、歌いながら光に向かって進んでいき、扉が閉まる。あのシーンは力強くて、かっこよかったなあ。ビリーのお父さんは、自分の人生にこだわりや譲れないものがあるんだよね。でも次第に、子どもの夢を尊重して応援してあげたいと思うようになる。この葛藤は、成長していく子どもを持つ父親なら、誰しも共感できるんじゃないかな。父親だけじゃなく、街の人たちも同じ。立場の違いで相手を憎んでいるけど、次第にビリーを応援するようになる。子どもの未来のために大人たちが古い考えを変えていくシーンは、すごく考えさせられるよね」

撮影:田中亜紀
撮影:田中亜紀

 ここは、私も親として考えさせられた場面。つい、この世の中は私たち大人が動かしているんだと思い込みがちですが、いやいや、子どもたちの持っているパワーこそがスゴイんです。改めて「子どもたちが、これからの未来を作っていくんだ」と思いました。「子どもはうるさい」と子どもを社会の隅に追いやり、パパが育休を取りたくても取れないような今の日本は、子どもの持つ力を軽く見ているのではないかと感じました。

 パパと息子に、「今日ビリーを演じていたのは、山城力くんという子で、まだ小学6年生なんだよ」と伝えると、パパは「彼の声がキレイでびっくりしたよ。声変わり前の少年しか出せないボーイソプラノで、思いっきり歌うから、大人は『おおーーーー!』と感動するね。あんな小っちゃいのに、すごいよね」と言いました。

 さらに、「うちの子もさ、こんな長い時間ちゃんと座っていられるようになったんだなあと、すごく成長を感じたよ。息子と2人で一緒にミュージカルが見られる日が来るなんてさ」と、一言。今日の経験は、とても感慨深かったようです。