好奇心が子どもの大きなステップに

―― 先ほど挙げていただいた6つのスキルの中に「個としての軸」という言葉がありました。具体的にはどういうことなのでしょうか?

斎藤 自分のアイデンティティーであり、日本人としてのアイデンティティーを持つことだと思いますが、しっかりと自分が英語を使って伝えられる“中身”ですね。日本人が個性がないということではないんです。ただ、例えば私が住んでいたアメリカは、小さいときから授業で自分についてのプレゼンをする「Show and Tell」など自分のことや意見を人前で話すことを日常的に訓練されていて、抵抗がないんですね。でも、日本人は“恥をかいちゃいけない”とみんなと合わせた解答や決まった正解を言おうと考えすぎてしまう傾向があります。別の意見があれば、正論やみんなと同じ意見でなくても言うべきですよね。

 TOEICの問題の問題文って、その時代に合わせた内容になってるんです。ただの会話ではなく“対話”。2人だけでただ話すのではなく、3人以上の中での会話や交渉など、相手の文脈や背景を感じ取りながら、自分の意見を話すような英語力なんです。社会に出ると、人や仕事をまとめられる力が求められますよね。グローバル社会ではさらにそうした力が英語でも求められるということです。

 子どもにはそのときに大きなプラスとなる“好奇心”が特に強くあります。好奇心を持ち、小さいころから、多様な人々やバウンドリーを越えた場所や人に対応していく力を養えるように、機会を与えてあげるといいですね。

<関連サイト>
「地球人財創出会議」 http://www.iibc-global.org/ghrd/ghrd_project/subcomm.html

(取材・文/岩辺みどり)