小さなうちに“境界=バウンドリー”を超える経験を

―― しかし、日本にいながら異文化体験をする機会はなかなか少ないと思うのですが、どうしたらいいのでしょう?

斎藤 私たちはグローバル人材育成にも力を入れてきましたが、それを考えていく場としている「地球人財創出会議」では、グローバル人材は“自分の境界を越えて外に出て行く人”と定義しています。この境界=バウンドリーは、国境だけを示しているのではありません。自分と外とのバウンドリーを越えられるということです。これまでの自分の世界と違うことならば、例えば東京から大阪に行ってみてもいいですし、今まで関わりのなかったグループとの交流でもいいのです。新しい世界に飛び込む体験をさせるといいですね。

 地球人財創出会議では、グローバル人材に必要な資質として、以下の6つのスキルとリテラシーを挙げています。

グローバル人材が備えるべきスキルとリテラシー

・個としての軸
・決断力
・多様性活用力
・異文化理解力
・コミュニケーション力
・戦略・ビジネスモデル創出力

 今は想定外のことが起きる時代です。6つのスキルとリテラシーに加え「変化への対応力」を兼ね備えている必要があります。そして、私たちはそうした変化に対応して、結果を出すことが期待されています。そのためのスキルがこの6つだと考えています。ただし、6つプラス1つのリテラシーをすべて持っていなくてはいけないというわけではなく、一つでも多くのスキルを習得できればいいと思います。

―― グローバル化が進み、これから将来を担う子どもたちにはそうしたスキルやリテラシーが求められると言われる一方で、地域差や関心の差も大きいように感じます。「そんなことは言っても、私たちの仕事には関係ない」「僕らの住む地域には海外なんて縁がない」という人もいると聞きますが、それでも必要なのでしょうか?

斎藤 もちろんです。日本はグローバル化の波の中でも比較的のんびりなほうだと思います。地方でもどこであっても、海外と仕事をする、取引をするというようなことはこれからどんどん増えていきます。世界中からの観光客も増え、日本中に足を運んでくれています。10年後、20年後はさらに変わっていくと思います。世界で共通語とされる英語を知っていることで、人生の選択肢も広がります。私は、英語は“人生のパスポート”だとよく言います。地球で生きていくための保険であり、サバイバル能力の一つとも言えるでしょう。