共働き夫婦でも、名門幼稚園をお受験させたい――。コネもなく、幼稚園のお受験には不利だとされるワーキングマザーが、長女のお受験に挑戦。見事、難関幼稚園への合格を果たしました。

 自身の幼稚園受験の経験をまとめた『名門幼稚園お受験はママが9割』(ブックマン社)の著者、岡本なな子さんは大手商社勤務。夫は金融関係で働き、夫婦ともに難関大学出身のハイキァリア夫婦です。上編「働くママの附属幼稚園受験 メリット・デメリット」に続いて、お教室の選び方や職場への話し方など、働くママの合格ノウハウについて伺います。

【ポイント1】ブランドだけで選ばない。余裕がなければ、本命を絞るのも手

 幼稚園を選ぶ際に忘れがちなのは、幼稚園の理念や教育方針です。

 「例えば、一口にミッションスクールといっても、モンテッソーリメソッドに基づいた活動に重きを置く白百合学園のような幼稚園もあれば、泥んこになって遊ぶことをよしとする田園調布雙葉学園のような幼稚園もあります。幼少期にどのような環境で園生活を送らせるかということの大切さ、わが子との相性をぜひとも忘れないでほしいです」

 名門の幼稚園に入れたい、幼稚園で受験を終えてしまいたいと思うあまり、カラーや教育方針の違う幼稚園を複数受験することは、子どもにとっても良くないばかりか、お受験で良い結果を得られないことにつながりかねません。

 「私も、今思えば、合格の可能性を増やしたいと思うあまり、娘に到底向いていない幼稚園の考査に向けての対策に労力を費やしてしまいました。結局合格には至らず、向いていないところには受からない。それに尽きるんです」

 「幼稚園受験にそんなに手間もお金もかけるのはちょっと……と考える人は、子どもが向いてない、と違和感を感じた園は、さっさとやめたほうがいいと思います。幼稚園受験だけが答えではないし、小学校、中学校になったらもっとたくさん学校を選ぶことができます」

 さらに、働くママならではの志望園の選び方もあるといいます。

 「仕事と両立させるためには、園の立地は重要なポイントです。家と職場、どちらの近くのほうがいいかというと、職場。家から遠くても朝早く出ればいいだけなのですが、送り迎えや保護者会など、園と職場が近いほうが何かと便利です」

岡本さん愛用の受験グッズ。コンサバティブな紺色スーツに黒バッグは学校を選ばず重宝
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