人に聞けない「寄付金」「縁故」の実態は?

 学費とは別に寄付金がかかる園もあります。

 「寄付金は、下の子も入園させたい場合には心証がいいなどのメリットがあり、寄付した人の名前を発表するところもあります。強制ではありませんが、実際はたいていの家庭で寄付金を払っているようです。園にもよりますが、年間で最低10万〜50万円といったところのようです」

 幼稚園受験で気になる噂が、縁故や寄付金の話。何もなくても合格することはできるのでしょうか?

 「卒業生の子どもやきょうだいが在園していると有利、という園もあります。縁故は見えにくいので実態がはっきりしないところではありますが、それなりに効く園もあるようです。寄付も10万円や20万円では無意味でしょうが、100万円単位だと効果があるかもといわれています。このあたりは園長先生が変わればガラリと変わることもあります」

 「縁故も寄付も、それで合格ということはどの学校もあり得ないし、何もなくとも合格する子はどの学校にも毎年必ずいます。少なくとも、何もなくともスタートラインには立つことができます」

<共働き幼稚園受験のメリット・デメリット>

☆メリット
□ 準備期間や金銭的負担が小学校受験より抑えられる
□ 受験対策をすることで、幼少期に大切な親子の関わりについて見直す機会が持てる
□ 万が一、不合格だとしても子どもの挫折感が少ない
□ 社会への感度・論理的思考・柔軟な対応力は面接対策に生きる
□ 入学後のキャリア計画が立てやすい

☆デメリット
□ 上級校のある附属の幼稚園は数が少ない(特に男子)
□ 学校によって、共働き家庭が有利に働かない場合がある
□ 一時期は、「子どもを最優先」する覚悟が必要
□ 早生まれの子どもは、成長が受験対策に追いつかない場合がある

 次回は、お教室の選び方や職場への話し方など、働くママの合格ノウハウについて伺っていきます。

(取材・文/平野友紀子 構成/日経DUAL 加藤京子)

岡本なな子
都内在住。夫婦ともに難関大学出身、大手商社勤務の30代。2015年に長女が名門幼稚園に入園。著書に『名門幼稚園お受験はママが9割』(ブックマン社)がある。