「地元の公立に入れるのも少し不安がある。でも、わが家がお受験なんて……」。子どもが3〜5歳くらいになると、気になってくる小学校入学。教育に関心の高いDUAL読者なら、一度は頭によぎったことがあるかもしれない。私立や国立の小学校合格を目指して受験する、いわゆる「お受験」。セレブリティな響きのあるこのお受験は、テレビドラマなどから高級志向や過剰な詰め込みのようなイメージが先行してしまっているが、実際にはどうなのだろうか? 何も調べずに可能性を絶ってしまっていいのだろうか? 受ける、受けないは別として、まずは少し知っておきたいお受験のこと。専門家や体験ママの声から考えてみたい。

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子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

準備期間は中学受験は3年間、小学校受験なら1年間

 今や首都圏では10人に3人が私立や国立、公立中高一貫校の中学を受験する時代。しかし、中学受験のための塾通いは、小学校3年の冬ごろから始まり約3年間費やすのが一般的になっているようだ。

 片や小学校受験は、早く始める人もいるが基本的には、最低1年間と言われており、週1〜3回程度“お教室”と呼ばれるような専門の塾に通わせる家庭が多い。

 10歳前後の多感な思春期に3年間塾に時間をかけるよりは、比較的子どもをコントロールできる時期に小学校受験を終わらせて、ゆっくりと学校生活を楽しませようと考える方もいます。また高齢出産などで一人っ子の家庭も増え、一人にかけられるお金も時間も少しゆとりができ、しっかりとした教育を与えたいという思いも強くなっている傾向にあることも理由の一つでしょう」

と語るのは、専門サイト「お受験じょうほう」を運営しているバレクセルの野倉学さん。

 現在、小学校のお受験をすると言われているのは毎年1万人前後。首都圏では約3%程度の受験率だが、都内でも特に港区や渋谷区などは小学校受験人口がさらに多いという。

 志願者は、学校によって大きく異なるが、2017年は下記のような状況。特に国立は、とりあえず受けておくという記念受験も多いため、倍率は高くなる傾向にあるそうだ。

<志願者数ランキング> (2017年入試 男女計)

<私立編>
1位 慶應義塾幼稚舎  定員144人   応募者数 1495人
2位 慶應義塾横浜初等部  定員108人   応募者数 1242人
3位 早稲田実業学校初等部  定員108人   応募者数 920人
4位 成蹊小学校  定員112人   応募者数 635人
5位 桐朋学園小学校  定員72人   応募者数 564人

<国立編>
1位 筑波大学附属小学校  定員128人   応募者数 3817人
2位 東京学芸大学附属竹早小学校  定員40人   応募者数 2461人
3位 東京学芸大学附属大泉小学校  定員90人   応募者数 1348人

<次ページからの内容>
・ 学費は“保育園程度”で済むって本当?
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・ 面接やプリントは、マストじゃない? お受験の内容