日経DUALでは昨年、「待ったなしの少子化問題」と、内閣府も推進する「ワーク・ライフ・バランスを保ちながら生産性高く働くための働き方改革」という2つの視点で優秀な企業を応援する取り組みとして、「共働き子育てしやすい企業グランプリ 2016」調査を初めて実施しました。詳細はこちらの特集をご参照ください(「2016年 共働き子育てしやすい企業ランキング特集」)。第2回となる今年は、厚生労働省が公開する「女性の活躍推進企業データベース」サイトに掲載されている情報を基に日経DUALが選定する企業への調査協力依頼に加え、「我が社こそは」と手を挙げて調査にご回答くださる企業を一般公募します!!

【調査への参加申し込みはこちら!】
調査へのエントリーをご希望の企業のご担当者は、下記のフォーマットに必要項目をご入力ください。日経DUAL編集部から、順次、調査表をメールでお送り致します。
調査表をご返送いただく締切日は、10月2日(月)です。
皆さまからのご応募を心よりお待ちしております。
https://aida.nikkeibp.co.jp/Q/C028909RA.html
【本日、午前10時から公募開始です!】

【日経DUAL「共働き子育てしやすい企業ランキング 2017」絶賛公募中!】
(1)両立支援セミナーで満足していては企業は変わらない ←今回はココ!
(2)先進企業はすべてを“ひっくり返し”始めている
(3)育休からの職場復帰セミナー 「男女混合化」進む
(4)「ダイバーシティー」で立ち止まる企業に伝えたいこと
(5)男性育休「いつ取るか」「何をするか」が大事
(6)働き方改革は生活改革とセットで進めよ   

この特集では、一般公募のスタートに合わせて、「共働き子育てしやすい企業」にまつわる最近の動きについて、昨年に続き今年もアドバイザーを務めていただく3人の識者にお話いただきます。第1回となる今回は、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事で、東レ経営研究所・上席シニアコンサルタントの塚越学さんに「管理職の育成」について話を伺いました。

法律が変わって「何かしなくては」と動き出す企業は増えた

塚越学さん<br>東レ経営研究所・上席シニアコンサルタント、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事
塚越学さん
東レ経営研究所・上席シニアコンサルタント、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事

日経DUAL編集部(以下、――) 昨年は、初代グランプリ企業となったサントリーの「育休取得後のフルモード化」、特別奨励賞の丸井グループの「男性育休取得率を上げる取り組み」、同じくダイキン工業の「3種類の在宅勤務」などが目立ったキーワードとなりました。今年も引き続き、「共働き子育てしやすい企業ランキング」のアドバイザーを務めていただきますが、ここ最近で感じられていることはありますか。

塚越さん(以下、敬称略) あくまでも肌感覚ではありますが、「何かしなくては」と動き出している企業は確実に増えていると思います。やはり「女性活躍推進法」(以下、女活法)の存在は大きいですね。それまでは昭和的な考え方でなんとかやってきたという企業も、女活法のために自社の行動計画を出してしまったので、計画と実態とのギャップを意識せざるを得なくなった。そのギャップを埋めるために何かしなくてはいけない。

 そのため、「何かやりたいのですが、何からやればいいのでしょうか?」と問い合わせてくる企業が増えています。歴史的に見てもそうですが、やはり日本では、法律が変わって大企業が動き、それに連動して中小企業が動く、という流れがあります。企業は規制の影響を大きく受けますから。

“近道”として「イクボスセミナー」を導入する企業が増加

―― 塚越さんは、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事でもあり、「イクボスプロジェクト」を推進し、イクボスセミナーも数多く手がけていますね。

塚越 私に来るセミナー依頼のうち、7割ぐらいがイクボス関連です。去年ぐらいまでは、イクボスセミナーを導入する企業は、ダイバーシティーや両立支援などのテーマに関心の高い先進的企業が多かったのですが、去年から今年にかけては、これまであまりそのようなテーマに取り組んでこなかった、女性社員の比率が低い企業などからの依頼も増えています。

 「女性活躍のために何かしなくては」と考えて、イクボスのテーマから取り組み始める企業は多いです。イクボスとは、部下のワーク・ライフ・バランスを考え、社員一人ひとりのキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司のこと。イクボスが支援するのは女性だけではありません。女性の活躍はもちろん、介護や男性の育児参加、LGBTなどの課題解決は、言ってみればリーダー次第です。そのため、企業は「上司をイクボスに変えればすべてがなんとかなりそうだ」と考え、その近道として「イクボスの育成」というテーマが浮上します。最近、こういった課題に取り組み始めた企業でも比較的早く追いつきやすいテーマというイメージがあるのか、イクボスセミナーを導入する企業は増えています。