2学期になり、プリントや教科書、おもちゃなど、リビングに様々なものがあふれかえっていないでしょうか。とはいっても共働きの親は忙しく、片付ける暇もない……。そんなデュアラーの皆さんに向けて、小学校低学年の親が知っておきたい片付け法を収納カウンセラーの飯田久恵さんに聞きました。その重要なポイントを2回にわたってお届けします。

【年齢別特集 小学校低学年のママ・パパ向け】
(1)小3秋 中学受験を検討するなら知っておきたいこと
(2)中学受験を考えるなら、まず活字と計算に慣れておく
(3)プリント、教科書…片付けは「指定席づくり」から ←今回はココ!
(4)「自分で片付けができること」は、自立への始まり

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 教科書やノート、学年だよりやクラスだよりなどのプリント、子どもの持ち帰る工作グッズと、増えていく子どものモノ、モノ、モノ。片付ける時間もなかなか取れず、散らかっていくいっぽうのリビングや子ども部屋に頭を抱えているパパ・ママも多いのではないでしょうか。

 「家に帰って散らかったわが家を見ると、疲れがどっと増す」「ダイニングテーブルに、学校のプリント類で山をつくって、その横で夕飯を食べている」という声も。さて、いったいどこから手をつけたらよいのか……。

飯田久恵(いいだ・ひさえ) 一般社団法人日本収納カウンセラー協会代表理事。収納カウンセラー代表。収納家具・システムキッチンの設計に従事していた頃から収納の重要性を実感。独自に整理収納を研究し、「整理収納の理論」を確立させる。今から27年前、日本で最初の収納コンサルタントの会社「ゆとり工房」を設立。収納相談や収納設計、子供収納や衣類セミナーなども各地で行う。『家庭も仕事もうまくいく一流の収納術』(パル出版)、『出し入れ楽チンクイック収納術』(PHP)他著書多数。「ためしてガッテン」などのテレビも出演多数。
飯田久恵(いいだ・ひさえ) 一般社団法人日本収納カウンセラー協会代表理事。収納カウンセラー代表。収納家具・システムキッチンの設計に従事していた頃から収納の重要性を実感。独自に整理収納を研究し、「整理収納の理論」を確立させる。今から27年前、日本で最初の収納コンサルタントの会社「ゆとり工房」を設立。収納相談や収納設計、子供収納や衣類セミナーなども各地で行う。『家庭も仕事もうまくいく一流の収納術』(パル出版)、『出し入れ楽チンクイック収納術』(PHP)他著書多数。「ためしてガッテン」などのテレビも出演多数。

 一般社団法人日本収納カウンセラー協会ゆとり工房の飯田久恵さんは、「まずは、プリントの分類から始めましょう」と話します。

 「新学期が始まると、プリントや教材などをたくさんもらいます。また、通信教育や塾などのテキストやノートも増えていくものです。まず、最初に分類したいものがプリント類です」(飯田さん、以下同)。

 プリント類は、「学校だより」「保健だより」「給食だより」「クラスだより」などというお知らせや、「保護者会のお知らせ」「お手伝いのお願い」等という出欠の返事が必須のものまで様々。子どもが2人以上いる場合、どれがどれだか分からなくなってしまうことも。

 「それらを分類するのにおすすめなのが、『紙ばさみ』です」

 紙ばさみとは、「個別フォルダ」とも呼ばれ、職場で使っている人もいるかもしれません。仕事の種類別や、取引別などに分けてインデックスをつけて書類を挟み込み、引き出しやボックスファイルなどに入れて保管して使います。

 「家庭で使うときは、学校、学童、習い事、などと分けてもいいですね。子どもが2人以上いたら、紙ばさみの色を分けると分かりやすいです。『一年間の予定表』など、長くとっておきたいものは、穴あけパンチで穴を開けて、紙ばさみにとじると安心。8カ所に穴が開いているので、好きな方向でとじることができます。プリントは、基本的には目を通したら捨ててOK。もう一度読もうと思ったら、この紙ばさみに入れておきましょう。新しいものを手前に入れるというルールにしておくと分かりやすいです

 そして、このファイルは“立てておく”のがポイント。

 「テーブルに平置きをして積み重ねていくと、新聞や雑誌、郵便物などに紛れて無くしてしまいますし、いざ必要になったときに探し出すのが困難になります。スタンドなどに立てておき、“指定席”をつくるのがおすすめ。ボックスに入れてもいいですが、ボックスだと上からしか取り出せないのでちょっと億劫に。スタンドなら、上からでも横からでも取り出せるので、スムーズですよ」

 ただし、“要返信”のプリントは紙ばさみに入れず、“クリアファイル”に入れて目立たせるのがコツ。

 「保護者会の出欠など、“要返信のプリント”は紙ばさみに入れず、クリアファイルに入れて目立たせましょう。締め切りを忘れないように、プリントの上の空白部分に、マジックで『〇月〇日締め切り』と大きく書いておくと◎。『クリアファイルでも分からなくなってしまう!』という人は、冷蔵庫にマグネットで貼ったり、専用のピンナップボードやホワイトボードに貼ったりしてもOK。“スタッキングトレイ”を使うという手もあります。職場でも、チェック前、チェック済、などと書類を分けて使っている方もいるかもしれません」

ブックスタンドやスタッキングトレイが便利
ブックスタンドやスタッキングトレイが便利

 そして、プリントと一緒に使う文房具も、このすぐそばに置いておくこと。

 「プリントの下半分を切り取って出欠の返事を出す必要があれば、はさみや定規があるといいですね。書き込むためのペンも必要。ボールペンが何本もあると逆に紛失してしまうので、4色ボールペン1本と消えるタイプのボールペン1本を置いておけばOK。プリントはいずれ捨てることになりますから、ゴミ箱もあったほうがいいですね」

 これらのプリント類が入ったトレイ等は、リビングかキッチンから見える場所に置くのがおすすめ。

 「仕事をしているパパ・ママさんなら、家事をしながらプリントを見ることが多いと思うので、トレイを置く場所は目につきやすいリビングかキッチンのすぐ近くが◎。ワゴンなどを用意して、その上に置いてもいいと思います。キッチンカウンターが広いご家庭なら、キッチンカウンターでもOK。子どものものだからといって子ども部屋に置くと、取りに行く手間がかかってしまいます。スタンドやトレイはプラスチック製のものなら、プリントが見えて便利です。スタンドは強度が必要なのでスチール製がおすすめです」

 ただし、プリント類を入れる場所に、新聞やダイレクトメールを入れるのは禁物!

 「とにかく、“指定席”を決めるのが片付けの鉄則です。『ちょっとだけ』なんて新聞やダイレクトメールなどを置いてしまうと散らかってしまいます。子ども関係とは別に、“親用のフォルダ”を用意して、必ずそこに入れるようにしましょう。ルールを守ることで、いつもきれいで便利な状態を保つことができます」

<次のページからの内容>
・ 片付けが面倒な理由は「収納指数」が多いから
・ 「モノは増えていくいっぽう」だと意識しておく
・ 「3段のカラーボックス」は、片付けベタさんにはNG
・ 引き出しは「3つ以内」がベスト
・ 「美しく見せる」よりも大切なこと
・ 飯田久恵さん流 モノが片付く5つのステップ