共働き家庭で育ち、「教育は機会を与え、学べば学ぶほど選択肢が増える」という母の教えの下、学校や企業の給付型奨学金を利用して様々な学びの場を経験してきた小宮山利恵子さん。議員秘書としてキャリアをスタートさせ、結婚・出産後に民間企業へ転職。「すべての子に自分に合った教育を受けられるチャンスを広げたい」という信念をもとに、キャリアを高めてきました。
 プライベートでは、出会いから一週間で結婚を決めたという夫と10歳の息子とともに、忙しくも幸せな家庭を築いています。義理の母は、共働き親の先輩の存在でもある元厚生労働大臣。前回に引き続き今回は、共働き子育てについて。さらに、「食卓では政治の話題が当たり前」というそのユニークな教育方針についてもお話を聞いていきます。

点と点がいつしかつながって、理想の仕事に近づいた

日経DUAL編集部(以下、――) 議員秘書からベネッセコーポレーション(現・ベネッセホールディングス)の会長秘書へ、その後グループ会社のベルリッツインターナショナルのフランチャイズマネジャーとして世界を飛び回り、2013年にはIT業界のグリーに転職。2015年からは現職と、ご自身の目標に向かって軽やかにキャリアを積み上げていらっしゃって素晴らしいですね。

小宮山利恵子さん(以下、敬称略) もう、ジェットコースターみたいな経歴ですよね。私は結構好奇心があちこちに行きがちで(笑)。でも今になって振り返ると、その時々で興味の赴くところに突き進んできた点と点がつながってきたのかな、と感じています。グリーでは情報モラル啓発に関する仕事に携わりました。

―― 幼いころ、ゲームが好きだったという小宮山さんの経験も、仕事に生かされていますね。

小宮山 小学校5年生のときの先生が言ってくれた「遊びも勉強だ」という言葉は本当だったと今になって思うんです。「遊び」「学び」「仕事」って実は別々のものではなく、つながっているんじゃないかって。一生懸命遊ぶ中に学びがあり、気づいたら仕事になってた、というのが当たり前の時代が来ているんじゃないかと思うんですよね。先生は本当に先を見る目があったんだなと思います。

 ゲームだってただ「悪いもの」ではなくて、ゲームという子どもが集中できるツールを利用したり、タブレットというデバイスを使えば、楽しく勉強ができる子もいる。そうやって学習を楽しむツールとして使えばいいのだと思っています。その思いが「スタディサプリ」の開発にもつながっています。

―― お母様がおっしゃってきたように、小宮山さんは自ら教育を通じて選択肢を増やし、機会をつかんできたのですね。

小宮山 社会人になってからも、議員秘書をしながらアラビア語を学びたくてチュニジア政府の奨学金をいただいて留学したり、グリーで働きながら、東洋経済オンラインでICT教育についての連載を持たせてもらったりと学び続けています。連載中に取材をしたご縁で、リクルートマーケティングパートナーズの社長に出会い、現職に就くことにもなりました。