「スタディサプリ」というオンライン学習サービスをご存じでしょうか。これは小学生から大学受験生までを対象に、月額980円(税抜き)からというリーズナブルな価格で、各科目のプロ講師による1万本以上もの講義が個人の学習スタイルや習熟度に応じてウェブ上で受けられるもの。日本の教育環境格差を解消する可能性を秘めたこのサービスの開発促進と研究調査を行う「リクルート次世代教育研究院」の仕掛け人であり、院長を務めるのが小宮山利恵子さんです。

 教育研究を専門分野としつつ、子どもの貧困問題にも関心が高く、学力の地域格差・経済格差を是正したいという熱い思いを持つ小宮山さん。その情熱を支えるのは、幼いころから共働きで家庭を支え、中学生からはシングルマザーとなって女手一つで育ててくれた母親からの励ましの言葉でした。全2回でお送りします。

小学校4年生までは全く勉強をしない子だった

日経DUAL編集部(以下、――) 学生時代は韓国留学を経験、大学卒業後はチュニジア留学や議員秘書、大手教育会社の会長秘書を務め、3カ国語を操るなど多彩な経歴ですよね。表情豊かでチャーミングな笑顔がとても魅力的な小宮山さんですが、幼いころはどんなお子さんだったのでしょうか。

外遊びが大好きだった幼少期の小宮山さん
外遊びが大好きだった幼少期の小宮山さん

小宮山利恵子さん(以下、敬称略) もう本当にわんぱくな女の子で。男の子みたいだとよく言われました。放課後は、男の子とばかり遊んでいたんです。木登りをして落ちて骨折したり、家で延々とテレビゲームをして、ゲーム機から煙が出て壊れたり(笑)。学校の宿題以外で勉強は小学校4年生くらいまでは一切していませんでしたね。

―― ご両親は共働きですと、放課後の居場所はどうされていたのでしょうか?

小宮山 小学生のころは、私は週5日学童に行って、17時ごろに祖母がいる家に帰って母親が帰るのを待つ、という生活でした。父は仕事が忙しく、家にあまりいませんでしたが、休みの日には、水泳やキャッチボールなどスポーツを教えてくれましたね。母は出版社に勤めていて毎朝出かけて夜に帰ってくる、という感じでした。

―― 夜まで親の帰宅を待つ間は、寂しい思いをしたこともあるのでしょうか。

小宮山 いえ全然。親が共働きでラッキー!って思っていました。自由な時間がたくさんあって、自分でなんでも好きなことができる。自由に時間の使い方を組み立てられるから、最高だと思っていました。それで、本当に遊んでばかりいたんですけど(笑)。

 今でも拘束されるのは嫌いで、自由に自分が思うところに足を運んで情報を集めたり、時間を自分で組み立てたりするのが好きですね。今、10歳になる息子がいますが、息子にも夏休みなど長期休み中の1日の計画は自分で立てさせましたし、やるべきことを済ませたら、後は子どもの自由にさせています。