今回、お話を聞いたのは東京都在住のK・Mさん。K・Mさんは妊娠を機に仕事をあっさり退職。当初は楽しい専業主婦生活を送っていたのですが、だんだんに自分でも意外な気持ちが芽生えてきて…。K・Mさんが感じてきた「もやもや」と「夢」を紹介します。
ハッピーだった主婦生活。でも出産後しばらくして、自分でも意外な感情が…
京都の学校を卒業して上京、不妊治療を扱うクリニックの事務職として働き始めました。その後、結婚して妊娠しました。子どもが授からなくて悩んでいる患者さんが多かったため、お腹が大きい状態で働くことに迷いがありました。また、仕事が大好きでずっと働き続けたい、という確固たる意志があったわけではなかったため、あっさり退職。専業主婦になりました。
専業主婦としての生活は当初、とても楽しかったです。人って、こんなにストレスなく生きられるんだ、と思いました。思い返せば、仕事はシフト制でしたが結構ハードでした。働きながら通院する方のために、早朝診療や夜の診療をしていたため、私も日によって朝5時に家を出たり、20時過ぎまで仕事をしたり…という生活。週6日働いていました。
そういう生活から解放され、妊娠そして出産後しばらくは、本当にハッピーな気持ちで過ごしていました。
しかし子どもが生まれて数カ月が経つと、だんだん物足りなさを感じるようになりました。子育ては楽しいですが、当時、夫は仕事が忙しく、夜も遅くなることが多かったので、朝から晩まで子どもと2人、誰とも話さず1日が終わる日もありました。暇すぎて親にテレビ電話を初めてかけたことも…。
友達が出産祝いなどを持って家に遊びに来てくれたときも、皆がキラキラと輝いているように見えました。そして、むくむくと「働きたい」という気持ちが湧きあがってきました。もともと、自分のことを仕事が好きなタイプではないと思っていたので、意外に感じました。
夫は当時、時間が不規則な仕事に就いていたのですが、家族の時間をもっと持ちたいと、転職を検討していました。ですので、私が家庭のために少しでも働いたほうがいいかな、共働きのほうが安心かな、という気持ちも出てきました。