子どもが生まれるまでは、仕事に目いっぱい没頭できた。産休・育休中は、育児に専念することができた。それが……いざ仕事復帰をすると、仕事と育児の両方が日々降り掛かってくる。時間は同じ、一日24時間。どちらも大事、どちらも最優先。そんなとき、皆さんは何を選び、何を諦めているのでしょうか。

 バリバリでもゆるゆるでもない働き方のワーママに、リアルな体験、心の内を語ってもらいます。

 今回、お話を聞いたのは東京都在住のK・Mさん。K・Mさんは妊娠を機に仕事をあっさり退職。当初は楽しい専業主婦生活を送っていたのですが、だんだんに自分でも意外な気持ちが芽生えてきて…。K・Mさんが感じてきた「もやもや」と「夢」を紹介します。

【今回のワーママ】K・Mさん
年齢:29歳
業種(職種):医療機関(正職員)→専業主婦→医療機関の受付助手、理事長秘書(正職員)
住まい:東京都三鷹市
子どもの年齢:3歳
●仕事と育児をしていくために、私が選んだもの、諦めたもの
選んだもの…仕事を通じて成長できる時間
諦めたもの…子どもと過ごす時間の長さ。成長のすべての段階を間近で見られる機会

ハッピーだった主婦生活。でも出産後しばらくして、自分でも意外な感情が…

 京都の学校を卒業して上京、不妊治療を扱うクリニックの事務職として働き始めました。その後、結婚して妊娠しました。子どもが授からなくて悩んでいる患者さんが多かったため、お腹が大きい状態で働くことに迷いがありました。また、仕事が大好きでずっと働き続けたい、という確固たる意志があったわけではなかったため、あっさり退職。専業主婦になりました。

 専業主婦としての生活は当初、とても楽しかったです。人って、こんなにストレスなく生きられるんだ、と思いました。思い返せば、仕事はシフト制でしたが結構ハードでした。働きながら通院する方のために、早朝診療や夜の診療をしていたため、私も日によって朝5時に家を出たり、20時過ぎまで仕事をしたり…という生活。週6日働いていました。

 そういう生活から解放され、妊娠そして出産後しばらくは、本当にハッピーな気持ちで過ごしていました。

 しかし子どもが生まれて数カ月が経つと、だんだん物足りなさを感じるようになりました。子育ては楽しいですが、当時、夫は仕事が忙しく、夜も遅くなることが多かったので、朝から晩まで子どもと2人、誰とも話さず1日が終わる日もありました。暇すぎて親にテレビ電話を初めてかけたことも…。

 友達が出産祝いなどを持って家に遊びに来てくれたときも、皆がキラキラと輝いているように見えました。そして、むくむくと「働きたい」という気持ちが湧きあがってきました。もともと、自分のことを仕事が好きなタイプではないと思っていたので、意外に感じました。

 夫は当時、時間が不規則な仕事に就いていたのですが、家族の時間をもっと持ちたいと、転職を検討していました。ですので、私が家庭のために少しでも働いたほうがいいかな、共働きのほうが安心かな、という気持ちも出てきました。