無学年制の算数タブレット教材「RISU」を提供するRISU Japan共同創業者、加藤エルテス聡志さんの新連載。今回は、加藤さんが東京大学時代から親しくしているチームラボ代表の猪子寿之さんを訪ね、対談した様子のリポート第1弾をお送りします。対談開始早々、クールな加藤さんが目頭を押さえる事態に! 一体何が起きたのでしょうか?

チームラボの作品を見ると、毎回泣く

猪子さん(以下、敬称略) 久しぶり。

加藤さん(以下、敬称略) 久しぶりだよね。この間も、今、渋谷のヒカリエでやってる「チームラボジャングルと学ぶ!未来の遊園地」に行ってきたよ。で、泣いてしまった。

猪子 え、え、え! なんで泣くの? うれしいね。

加藤 何かを見て泣くって、僕あんまりないんだけど、チームラボのは必ず泣くんだ。学生のころから、ずっと。ちょっと思うのは、これでも表現しきれてないんだけど、儚さとか、危うさとか、限界とかを感じるからじゃないかな。一般的なアートって、油絵とかだとバンとある瞬間を永遠にとどめるじゃないですか。でも、チームラボの作品は、最後に散ってなくなるよね。それを見て「あ、最後までは言えないんだな」みたいなのがある。線香花火みたいな魅力がある、とでも言うのかな。

 渋谷ヒカリエで見られるのは9月10日までだから、ぜひDUAL読者の皆さんにも行ってもらいたいと思って。

日経DUAL編集部 先日、私もお邪魔してきましたが、「未来の遊園地」は参加できるのが面白いですね。例えば、あるコーナーでは、自分で花に色を塗った紙を係の方にスキャンしてもらって、それが床にプロジェクションされるという仕組みでした。「自分の描いた花がどこに出てくるかな」とわくわくしていたのですが、あれは、自分が床を歩くと、歩いた場所に花が咲くように見えるんですね。私はそれに最初気付かなくて、歩いてたら「あ!」って気付いて、すごいうれしくなってバタバタ歩いていました。

猪子 そうでしょ? 僕が興味があるのは、「空間認識力」みたいなものなんだよね。実は大人になったあと、社会的に成功するかしないかは、IQとかよりも、空間認識力があるかないかによる、という考え方がある。

 実際さ、iPhoneのインターフェースだって、そのものが空間的じゃん。少なくともアップルの主要なメンバーは空間認識力が高くないと、あのインターフェースは生まれなかっただろうし、プロダクトだって三次元だし、アップルストアだって革命的だった。やっぱり空間認識力がビジネスに大きな影響を及ぼしていると思う。

 この空間認識力はもともと備わっているものというより、鍛えることができる能力なんだけど、今の学校の教育課程には入っていないよね。例えば、森の中なんかの立体的な空間の中で遊ぶと、それは身に付くと言われています。身体で世界を知ることが重要。その身体で世界を知るというのは、今の教育課程の中に入っていない。それはなぜかというと、学校で子どもたちは、身体を捨てさせられているでしょ。座って静かにしているだけで、インプット情報はほぼゼロ。例えば、数学の問題を解く状況って、秒間当たりのインプット情報は数バイトでしょ。「1足す1は」って情報はたったの数バイト。本を読むというのも、秒間当たりのインプット情報はほぼゼロですよ。身体を捨てて大脳だけ働かせるのが、今、「頭をよくする」と言われている方法。

次ページから読める内容

  • 渋谷ヒカリエの「チームラボジャングル」は踊りながら世界を認識する場所
  • 世界は意思のある身体で入るものであり、問題をすべて解決することはできない
  • 子どもにこそ、「ほんのちょっとだけ世界を変える」体験をしてほしい

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