毎晩、読み聞かせしているけれど……このやり方でいいの?
こんにちは。チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。
夏休みが終わり、朝晩の風に少しずつ秋の気配を感じるようになりましたね。秋の夜長にゆったりと過ごしたくなるのは、季節の移り変わりを感じられる日本に住んでいるからこそかもしれません。普段は忙しいパパやママもお子さんにゆっくり絵本を読んであげたいな、という気持ちに自然となれる季節ですね。
小さいころから絵本の読み聞かせを通じて、お子さんに読書習慣を付けることは、人生を豊かにするためにもとても大切なことです。
一方で、読み聞かせに日夜チャレンジしているパパやママからは、「子どもが絵本に全然興味を持ってくれない」「あんなに読み聞かせをしていたのに、小学生になって本を読まなくなった」など、お悩みが色々聞こえてきます。また、ご自身が小さいころに絵本の読み聞かせをしてもらった経験が少ないと、絵がまるで動いているように見えるさまや、想像力を働かせることといった「絵本の楽しみ方」があまり分からないという方もいるようです。
でも、きちんとステップを踏めば、どんなお子さんも絵本好き、本好きに成長することができます。さらに、絵本や本の素晴らしいところは、子どもたちの目に見えないチカラを引き出し、伸ばせるということです。
ぜひ、子どもにとっての絵本の意味や、読み聞かせのコツを知り、親子で楽しく充実した時間を過ごしてほしいなと思います。
一生を通じて役に立つチカラを育み伸ばす二つの活動
私が、子どもたちに絵本好き、本好きになってほしいとこだわるのには理由があります。
まだ幼稚園教諭だったころ、子どもたちには色々なスキルを身に付けてほしいと思っていました。でも、漠然とスキルといっても多様ですよね。生まれ持った素質や才能によっても得手不得手があり、「楽しめる活動」も子どもによって、それぞれです。
例えば、運動であれば筋肉の発達の仕方に個人差がありますし、音楽であれば音に対する感性に違いがありますね。工作やお絵描き、粘土やブロック、パズルなども、ある程度生まれ持ったものに影響されます。
もちろん、苦手なことも諦めず、チャレンジすることは大切です。でも、生まれ持った素質や才能、性別にかかわらず、誰もが興味を持って楽しめ、一生を通じて役に立つチカラを育み伸ばすことができる活動はないものか――とずっと考え続けてきました。そして長年、子どもたちを観察したり、保護者へインタビューを行ったりするうち、それは二つあるということに気づいたのです。