子どもが小さいころは、「好きな人ができた」と聞くとほほ笑ましく感じていたものの、子どもが成長し親の目が行き届かなくなるにつれて、心配してしまうことも……。ましてや「付き合っている人がいる」と子どもに言われたら、親はどんな反応をすればいいのでしょうか?

イマドキの小学生の恋愛はどのようになっているのか、親はどのように対処したらいいのか、特集として紹介します。2回目の今回は、小学生の性行為の実態やイマドキの性教育、恋愛に興味がある子とない子の違いについて、都内の教育委員会の教育スーパーバイザーを務める、昭和女子大学教授の山﨑洋史さんに話を聞きました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)高学年女子の6割「付き合った経験がある」の真相
(2)中学生の性交渉が増加中、小学生時代から教育を ←今回はココ!
(3)立ち歩き、暴言暴力 小学校の学級崩壊はなぜ起こる
(4)学級崩壊の防止や改善のために、親ができること

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学校低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

小学生の性交渉は少ないが、実態としてはある

 多くの子どもは「付き合っている」といっても、お互いに好き、という感情を確認した状態の“健全な”付き合いに留まっています。その一方で、小学生の性交渉は実態としてある、と山﨑さんは言います。

 「昔から児童性愛をするような大人もいるし、初体験が自分の親という子もいます。チャイルド・アビュースといって、児童虐待には暴力、心理的暴力、ネグレクト(放任)、性的虐待の4つがあります。大人になってから調査すると、最初の性体験が父親や母親というのは、本当に少ないけれども一定数あるのが現状です」

 昔よりもインターネットを通して子どもに刺激的な情報が入りやすい環境のため、性行為が低年齢化している、と山﨑さんは指摘します。

 「性交渉とまではいかなくても、小学校1年生の男女がトイレで裸になってくっついていた、幼稚園児がお互いに裸をさらけ出していたという事例もあります。昔と違い、あまりにも犯罪的な要素のある情報が世の中にあふれています。インターネットで簡単に性交渉の図を見ることができるし、自分自身は見ることができなくても、友達に見せられて興味本位で同じことをしてしまう、ということも事例としてあります。子どもはいくらでも関心がありますから

 とはいえ、小学生の性交渉が激増しているわけではないけれど、中学生の性交渉は増加しているといいます。

 「中学卒業までに大人にならなきゃ、という女の子が多いです。男の子はそうでもないけれど、女の子のほうが意識が強い。悪意を持ったウェブサイトの影響も大きいです。もしも中学生や高校生で好きな子がいると言ったら、親は注意してセンサーを働かせましょう。子どもを守るのは親しかいません

<次のページからの内容>
・ 小学1年生から、保健の教科書に性教育の教材
・ キスでも性病に。きちんと伝えておく必要がある
・ 女子は6割が「付き合ったことがある」が男子は2~3割。真相は?
・ モテる高学年男子の特徴
・ 異性と隔たりなく遊ぶ子、同性とつるむのが好きな子