まずは、妻のニーズをもう一度深く聞いてみました。すると、僕に完全休みの1日を取るよりも、毎日の忙しい時間帯に手伝ってほしいということが分かりました。そのうえで、最も夫に家にいてほしい時間帯「育児家事のピークタイム」を聞き出したんです

 夕方~夕食、風呂、寝かしつけまでが1日の中で最も忙しいので、今は、その時間帯を避けるように仕事を入れています

 週1休を取得することを諦めているわけではありませんが、「完全オフ」を死守することに縛られて、残りの週6日に是が非でも詰め込むことはしません。イレギュラーな仕事が入った場合は、オフの日に「育児家事のピークタイム」を外し、3時間だけ仕事をするなど調整しています。

 朝から夜中まで家にいなくて、6日間完全に妻のワンオペ体制になるよりも、毎日仕事に行くけれども17時には帰ってくるほうが妻の負担は軽くなります。17時からは毎日夫に頼れるわけですからね。このニーズを夫婦間で共有できてから、お互いが楽になりました

時間やコストを意識する働き方にしている

 さらに僕のほうは、もう一段階ギアを上げて、家庭の時間を増やすことを意識的に進めています。

 「週1休む!」としたところで仕事量が以前のままなら、「休み以外の6日間が過酷になった」わけですよね。つまり、仕事はまず、“量ありき”から考えないといけない。ベストな業務量を考えることにしました。自分にちょうどいい仕事量を把握したうえで、今稼いでいる収入から下がらないといいし、さらに上がるとベストなわけですよね。

 具体的には、仕事内容を整理するところから始めました。

 今ある仕事を、それぞれ時給で換算してみました。というのは、自分のできる業務量に加え、新たに入ってくるものがあり忙しくなったときには、今の状態から何かしらを削らないといけません。その優先順位や序列を自分で分かっていないと、判断ができません

 厳しい目線で、コスパのいい仕事を残す、コスパの悪い仕事をカットしていくとのやり方をすれば、費やす時間を増やさず、合理的にコストを上げていくことができると考えました。

 ここ1、2年で、「この仕事での自分への支払いはいくら?」とマネジャーに確認してから引き受けるようになりました。マネジャーにも、時間やコストを意識する僕の働き方のスタンスを明らかにしています。

 もちろん、すべての仕事をコストパフォーマンスのみで機械的に判断しているわけではないですよ。自分の中で、次のチャンスや将来のためにしている仕事と、お金を稼がせてもらっている仕事の大きく2つの分類があって。そのうえでよく考えて、仕事を引き受けるかどうかを決めています。