乳幼児のために、親が防災袋に用意しておくべき「水」とは

 水は、子どもに携帯させる以外に親が常に防災袋に用意しておきたい必需品でもあります。日ごろから水を購入しているご家庭も多いと思いますが、特に災害時を想定して、子どもの年齢を考慮しながら下記のようなものを日々、入れ替えながら用意しておくといいでしょう。

[1]ミルク用の軟水(及びカイロ)

 乳児で粉ミルクを与えている場合、軟水と使い捨てカイロは必ず用意しておいてください。日本の粉ミルクは軟水でないと溶けませんし、赤ちゃんは冷たいミルクは本当に飲めないので、必ず人肌まで温める必要があります。

 とはいえ水はあるけれど温めるための電気やガスが止まっていて、何一つ熱源となるものがない場合にはどうしたらいいかと思いますよね。その場合は使い捨てカイロがあれば、最低限の温めは可能になります。水と粉ミルクを入れた哺乳瓶に使い捨てカイロを巻き付け、セーターかタオルでくるんで温めてください(カイロは鉄の酸化作用で発熱しますが、通気性のあるものでないと酸素が不足して鉄が反応しません)。なおこの方法は、緊急時には有効ですが、粉ミルクの調乳温度が75℃以下だと、サカザキ菌やサルモネラ菌が繁殖する恐れがあります。平常時には必ず、75度以上で調乳してください。

 ちなみに保存用の水としては、経済的にもスペース的にも一般的に2L入りのものを用意することが多いと思いますが、衛生面から考えると、実は500mL入りが理想的です。

 それから水を用意するとともに、被災時に子どもに水道の水をそのまま飲ませないということを、肝に銘じてください。日本の水道水は世界一安全といわれていますが、それは平常時の話です。被災時は水道管が破損して、有害な物質が入り込んでいる可能性もあります。被災時の中毒は、死に至る危険があります。「被災時には子どもにペットボトルか、煮沸した水しか与えてはいけない」のです。

[2]経口補水液用の水と塩と砂糖

「九州自然館 経口補水液パウダータイプ (20袋入)」1852円。容器に1袋を入れ、約500mlの水を注いでよく溶かせば経口補水液になる
「九州自然館 経口補水液パウダータイプ (20袋入)」1852円。容器に1袋を入れ、約500mlの水を注いでよく溶かせば経口補水液になる

 水を用意するとともに、ミネラルを補給するための塩と砂糖を用意することも忘れないでください。

 人間の体は約60%が水。子どもはもっと多く70%ですので、体外に出る水分を常に補っていかなければ脱水症状になります。そして水だけ飲んでいても体外に出るミネラルが補給されないため、体内ミネラルがアンバランスになります。それが原因で低ナトリウム症を起こし、血圧が低下した場合、下手をすると死に至る場合もあります。それを防ぐには点滴しかないのですが、繰り返しますが病院は機能しないのが災害時。自力で子どもを助けなければなりません。

 低ナトリウム症を発症後は、口から飲んでも水を吸収できません。そこで低ナトリウム症にならないために経口補水液の飲み物か、補水液を作る準備をしておきましょう。家庭では、塩分と糖分を補って簡易経口補水液にして飲ませてもかまいません。

 ただし、スポーツドリンクは糖分が濃すぎて、低ナトリウム症のときに飲ませると下痢を起こすことがあります。飲ませないでください

 経口補水液は、水1Lに対して砂糖大さじ4杯半、塩小さじ半分を溶かします。水500mLなら、砂糖がペットボトルのキャップ3杯分(20g)、塩が小さじ4分の1程度(1.5g)と覚えておきましょう。あらかじめ計って小袋に作っておき、水に添えて保管してもいいですし、経口補水液は水に溶かして使う市販品もありますので、それを利用してもいいでしょう。