マジシャンの理論を応用 逆算的思考で原因を掘り下げる
日々の育児や仕事に追われ、スキンシップどころかコミュニケーションもままならない夫婦が、セックスレス問題を解決するにあたって、まずするべきことは何だろうか?
婚活中の男女や夫婦を対象にコミュニケーション、スキンシップ講座などを開き、プロマジシャンとしても活躍している日本いい夫婦協会代表理事のかりゆしたつやさんは、「マジシャンの基本的な考え方、つまり結果から原因を考えるという逆算的思考は夫婦問題の解決にも当てはまります。まず、セックスレスという現象に至る原因を考えるところから始めましょう」とアドバイス。
ワンオペ育児と家事の疲れ、仕事のプレッシャー、残業続きの睡眠不足……。共働き世帯がまず思いつくであろう原因は一つではないが、「日常的な行動から掘り下げていくと、お互い思いやる心の軽視が根底にあることが多い」とかりゆしさんは指摘する。
「環境要因・人的要因と分けて考えていくうち、例えば『夫のことを子ども扱いしていた』、『妻の思いを受け止める時間を持たなかった』というような内的要因も発覚するでしょう。相手を軽視した態度が積み重なると、夫婦の距離感が離れてしまうのも当然のこと。本当にセックスレスを解決したいなら、気付いたほうがまず、『原因は自分にもあるかもしれない』という俯瞰した視点を持つことが非常に大事です」
「そうした前提を持って関わることをしないと、今の硬直状態から抜け出すことはなかなかできません。どちらかが歩みより、気持ちを受け止める姿勢を作ることで反発も和らぎ、本来持っていたお互い相手を尊重し、分かち合える素敵な関係性に近付けるのです」
結果を変えるために、原因の一つ(=自分の言動)を変える。その場合、マジックではプロセスやタネが分かると興ざめしてしまうのと同じで、基本的には種明かしはせず、パートナーに気付かれないように戦略的・計画的に行うとより効果的だという。
次ページからは、セックスレスの原因の一つにもなる、夫婦のスキンシップ改善の具体的ノウハウを紹介していく。