コツその2 睡眠障害を防ぐには早起きをする

 疲れているのに夜なかなか寝つけないなどの症状に悩まされているときは、夜、寝つこうとすることから始めると、なかなか修正がうまくいきません。それよりも、朝早く起きることから始めてみましょう。

 出勤時間から逆算して、朝ぎりぎりまで寝ているような生活をしている人は朝の5時くらいに起床し、出勤するまでの間に活動する時間をつくってみてください。朝日を浴びながらストレッチや運動をしたり、散歩したりするとベター。難しければ、ベランダに出て深呼吸するだけでもかまいません。そして朝ごはんをおいしく食べ、一日の活動をスタートします。

 いつもより早起きをした分、睡眠不足だったはずなので、その日はできるだけ早く帰宅し、できれば夜19時、難しければ夜20時か遅くとも21時までにベッドに入り、眠るようにします。もちろん、昼寝も控えます。

 このような調子で朝早く起きることから始め、夜21時までに床に入り、ストンと眠れるような生活リズムを1週間以上続けてみてください。繰り返しているうち、夜21時から遅くとも23時までには眠くなるように変わってくるはずです。

コツその3 テレビを見る時間を減らす

 日本人の大人は世界でいちばん寝ていません。睡眠時間の確保はもちろんですが、よりよい眠りのためには睡眠の質を上げることも大事。大人も子どもも同じです。

 そのためにいちばん手っ取り早いのは、テレビやインターネットを見る時間を減らすことです。日本人が睡眠をうまくとれなくなってきているいちばんの原因を考えると、家の中にテレビをはじめとするメディアが多過ぎるという点が挙げられます。そして、そのメディアに個々で自由にアクセスできるのが、今の日本の家庭です。

 テレビは私たちの日常生活の中に溶け込み、切っても切り離せない暮らしの一部になっています。でも、家族みんなの睡眠を本当に変えたいと思ったら、親の意識を変えることから始めるしかありません。

 日々、成長中の子どもは目から入る太陽の光刺激によって、脳内の一日のサイクルを作り上げている最中です。目に入ってくるテレビの光は、自然の光と比べると刺激が強い点が問題で、とくに夜間にテレビからの光刺激を入れ過ぎると、睡眠と目覚めのサイクルが脳の中に作られにくくなってしまいます。テレビの光刺激は、脳科学の観点から見て非常に問題があるのです。

 夜に家事と娯楽のすべてをやろうと思ったら、とても夜23時に眠ることはできませんが、テレビを見なくても命に関わりません。まずテレビの時間をなくしましょう。情報を入手したいなら、朝、ストレッチ体操をしながらラジオを聴くだけでも十分です。