デジタル機器に夢中になっている子どもを見ると、背中が丸まり、首だけが前に出るような姿勢になりがち。全国の小中学校で姿勢矯正のトレーニングを行う「すくすくトレーニング」のパーソナルトレーナー小澤康祐さんに、姿勢の乱れによって起こる弊害や、姿勢矯正のストレッチ法を教えていただきます。また、夜更かしの習慣がついてしまった子どもの生活リズムを二学期に向けてリセットする効果的なハウツーを、作業療法士で快眠のエキスパート、菅原洋平さんにお聞きしました。

【年齢別特集 小学校高学年のママ・パパ向け】
(1)長時間のデジタル利用は子どもの脳の可能性を狭める
(2)思春期にデジタル漬けでコミュニケーション能力低下も
(3)子どもの首ねこ背・夜更かし デジタル利用弊害と改善法   ←今回はココ!
(4)近視は遺伝と環境で起こる デジタル機器の影響は?

 子どもの成長に伴い、ママやパパが抱く育児の喜びや悩み、知りたいテーマは少しずつ変化していくものです。「プレDUAL(妊娠~職場復帰)」「保育園」「小学生低学年」「高学年」の4つのカテゴリ別に、今欲しい情報をお届けする日経DUALを、毎日の生活でぜひお役立てください。

 デジタル機器に夢中になると、下を向き、背中が丸くなりがちです。子どもたちの姿勢への影響が気になる人も多いのではないでしょうか。パーソナルトレーナーの小澤康祐さんは「背中が丸くなるねこ背はもちろん、それ以上に、背中の上から首にかけてが丸くなる、首ねこ背が目立ちます」と話します。

 首ねこ背になることで、子どもたちにどんな影響が起こるのでしょうか?

成長期前の小学校高学年は姿勢を矯正しやすい時期

 首ねこ背はストレートネックとも呼ばれ、首だけが前に突き出た姿勢のことを指します。首だけでなく、全身の姿勢に影響を及ぼすので注意が必要です。

■NG姿勢

背もたれに寄りかかり、首だけが前に出る姿勢は、最も首ねこ背になりやすい
背もたれに寄りかかり、首だけが前に出る姿勢は、最も首ねこ背になりやすい

 小学校低学年くらいまでの子どもは筋肉の発達が未熟で、骨格がぐらぐらとしてまだ固まっていませんが、小学校高学年頃になると、次第に骨格がしっかりしてきます。

 「間違った姿勢のまま成長期を迎えてしまうと、姿勢が固まってしまい、大人になってから姿勢を直すのに苦労します。逆に言えば、まだ姿勢が固まり切っていないこの時期は、姿勢を直すチャンスです」(小澤さん)

 将来的な姿勢が決まる分かれ目とも言える時期。次ページ以降で、姿勢改善のためのストレッチ法を教えてもらいます。

<次のページからの内容>
・ 普段の姿勢は「●●●●」を意識するだけ
・ 3カ月で首ねこ背を改善する簡単トレーニング
・ 崩れた睡眠リズム 二学期に向けたリセット法
・ 脱デジタル依存「使う場所」を脳にインプットするだけ