女性は機会を与えたらやり遂げる

―― 女性ならではの強みも今回再確認しました。部下を育てるために奔走するというのもその一つですね。

坂東 全体を底上げしたいと考えているのですよね。それから「息子を育てたら、会社の男性がかわいいと思えるようになった」という発言も印象的でした。「男性社員は子どもみたいなもの」というコメントを女性管理職からよく聞きます。

―― 嫌なやつだなと思ったら、その人が赤ちゃんでハイハイをしていたりオムツを替えられたりしている姿を想像すると、かわいいと思えるようになるとか。

坂東 「今の日本にはグローバルに向けて武器を取って戦う戦士が必要」といったイメージがありますが、本当に必要なのは育む、インクルーシブというか、共通のビジョンを追求するリーダーです。

 子どものころに「長」とつくものを経験して、リーダーシップ経験をするというのもいい気づきでした。会社に入った後に30歳前後では有能な人たちが失望して辞めていくというのは本当に損失です。食い止めるためには、若いころから自分の手には負えないような難しい仕事をアサインしないと。逆に女性たちは甘やかしたらダメだということを感じます。女性は真面目なので、機会を与えたらやり遂げますから。ハードさのあまり、辞めてしまう人がいるかもしれないけれど、飽きられて辞められてしまうよりはよほどマシです。

「頭のよさ」だけで今があるわけではない

―― 今回の蓼科キャンプで、坂東先生が最も意外だったことは何でしょう?

坂東 「私は頭がよかったのよ」という自己認識ね。普通は言っちゃいけないことだと自粛するんだけど(笑)。

―― エグゼクティブ女性のネットワーキングというのは、そうした効果はありますね。皆さん非常にマイノリティーな存在なので、同質の人が集まっているから言えるわけです。

 そして、「自分は頭がいい」となぜそんなことを堂々と言えるかと言うと、続きがある。それだけで今のポジションにつくことはできないと、皆さん自覚している。

坂東 そうなのよね。「長女です」と同じような、特徴の1つなのよね。

―― 勉強ができたから今のようになれたわけではない。勉強ができたことに加えて、コミュニケーションなど、多くの技を持っている。自慢のニュアンスで語っていらっしゃる感じもありませんでしたし。ですから、坂東先生もおっしゃっていいんですよ。「私は100点以外は取ったことがありません」って(笑)。

坂東 私は小学校の頃、孤独だったのよ。あまり話の合う友達はいないし、先生からは煙たがられていたし。立ち回りが上手じゃなかったのね。今回は面白いキャラクターの人たちがこれだけ集まって、「地頭の良いアネゴ集団」の中で、本当に楽しませていただきました!

(ライター/阿部祐子)