正しいと思うことを主張できる、新世代のリーダーとは?

―― 「女性の頑張りどころ」に関して強く思ったのは、簡単に納得しないというか、自分の考えを曲げないんだなということでした。

坂東 そうなのよ。上から降りてきたことに対して男性は黙って従う、でも、女性は納得するまで話をする。今までは「だから、女は扱いにくい」というネガティブな評価だったのは否めません。でも私は「なかなかやるじゃん! そういう人も必要だから、頑張れ」って思いました。

―― これも匿名座談会で、上から言われた商品の売り方が「人をだますような方法だ。目先の収支は良いかもしれないけれど、これを売るのは会社にとってもよくない」と提言し、別の売り方を提案して採用されたというエピソードもありました。女性はよく共感性が高いとも言われますが、大事なところでは自分の意見を曲げません。

坂東 正義感ね。そういう能力を発揮できるというのは、やっぱり自分に自信があるからですよ。「地頭のいいアネゴ肌」と自己分析していた通り、自信に溢れて仕事をし、自分の正しいと思うことを主張できる、新しい世代のリーダーだと感じました。

頂点が見えたとき、ものを言い続けられるか?

坂東 私がここに参加することを決めたときの、そもそもの疑問は「彼女たちは組織の中でトップになるのだろうか」ということでした。というのはね、大組織の頂点が見えてきて本当にトップになる可能性が出てくると、ものを言わなくなるかもしれないでしょう。

―― 最後に上り詰める前に、2つや3つ、勝負の場面はあるのかもしれませんが、そのとき、今の態度を緩めないかどうかということですね?

坂東 はい。今の時期が本当に女性に追い風で、たまたま、正義とか本音をそのまま言える時期なのか、それとも……というところは今後、見極めていきたいですね。