正しい「人たらし」の方法を教えて
羽生 蓼科での濃密なビジネスサマーキャンプの初日が終わり、今、皆さんは車座になって別室で交流されている最中です。そんな中、さらに赤裸々なトークをしていただきたく、3人の方にお集まりいただきました。ここにいらっしゃるのは、外資系金融機関で部長を務めるAさん(40代)と、IT系企業で部長を務めるBさん(40代)、小売系企業・取締役のCさん(50代)、そして昭和女子大学理事長の坂東眞理子さんです。皆さん非常にキャリア面で成功されているのでディテールを書くと特定されてしまいますから、これ以上は秘密です。発言は一部編集させていただきますので、安心して本音をお話しください。
Cさん 昼間も本音で話しましたが、まだ聞くんですね。まあ、お酒が入らないとできない話もありますからね。
―― はい、聞きたいことはズバリ「人たらし」の方法です。日経DUAL編集部で実はよくあるのですが、誌面で成功した女性を取り上げると、翌日、その女性が勤める会社の人から匿名でメールが届いたりするんです。「あの人は立派なことを言っていますが、人をたらしこんだだけです」なんていう内容で……。
Aさん そんなメールが本当に来るの?
―― 「この人はこういうことをしているだけなのですから、日経グループの媒体に掲載するのはどうかと思います」という内容です。でも、組織の中で働くには、多少「人たらし」の技術も必要だと思うんです。むしろ「正しい人たらしの方法」というものがあるのではないか。仮に、周囲を蹴落として、あるいは「女」を使うだけでは、ちょっとのし上がることはできても、ここにいる皆さんの地位までは到達できないと思うのです。ぜひ、皆さんのご経験を時系列で振り返っていただき、何がキャリアの突破口だったか、後進の女性たちに教えていただきたいと思います。