妻は家事・育児の分担に、夫はコミュニケーションにストレス

山本 テクノロジーというと難しい印象があるかもしれませんが、実は各自がスマートフォンでスケジュール共有するだけで、この5つのメリットが享受できるんです。例えばカレンダー機能を使うと、家族や子どもたちの行事からお互いの仕事のスケジュールまで、様々な情報を簡単に共有し、可視化できます。そして、どこからでも閲覧できますし、常に最新の情報に更新し、履歴を残すことができます。マルオペ育児には非常に有効ですよね。

 夫婦間で情報共有することで、いつどんなサポートが必要かも可視化できますし、おじいちゃん、おばあちゃんとの共有や、アウトソース先との調整にも役立ちます。連携がスムーズになることで、仕事と家庭のバランスも取りやすくなるでしょう。

林田 そうすると、テクノロジーは様々なリソースと連携する際の夫婦の情報共有を円滑にする潤滑油のような役割を担うというイメージですね。

山本 その通りです。そして、実際にそのように機能していることが、昨年10月にGoogleが共働き夫婦1200名以上を対象に行った、テクノロジー利用についての調査でも明らかになりました。

 調査から導き出されたのは、大きく三つです。一つ目は、共働き夫婦が働き続けるうえで感じるストレスのうち、女性は「家事・育児の分担」に、男性は 「夫婦間でのコミュニケーション」 にストレスを感じているということでした。

 二つ目は、夫婦間でスケジューラー(カレンダーアプリなど)を利用している女性は、利用していない女性に比べて、家事と育児の分担に対するストレスが低いということでした。

 そして三つ目は、夫婦間でスケジューラーを利用した男性は 「家事・育児に割く時間」「家事・育児に取り組む意識」「家事・育児を分担する意識」などに変化が起きていることが分かりました。つまり、男性は妻からの依頼などで受け身的に家事・育児をこなすのではなく、スケジューラーによって事前に自分の予定とタスクを把握し、自分で計画して実行することで満足度が向上し、自発的に取り組むようになるということです。