4年かけて取り組んだ不妊治療
長女を授かるまで、不妊治療は4年間に及びました。なかなか妊娠できず、やっと妊娠したと思ったらうまくいかず……。「必ずこの手に赤ちゃんを抱く」と決めて、そこに向かってどんなときも進んでいこうと心に誓っていましたが、さすがに落ち込むときもありました。そんなときは、「同じ境遇で語り合える人や、気持ちを分かってくれる人がいたら…」と思いました。
当時、待合室にいると、同じように授からなくて悩んでいる人がたくさんいることに気付きました。念願かなって赤ちゃんを授かり、出産してから、少し気持ちに余裕ができたことで、もしかしたら私の経験が励みになることもあるかもしれないと考えるようになりました。悩みを解決するキッカケになるかもしれない。そう思って、情報を発信するようになりました。
今は、1人目の不妊だけでなく、1人目は自然に授かったのに2人目が授からなくて悩んでいる人も多いと聞きます。人それぞれ悩みは違うものですが、私の経験をお伝えすることが、少しでもお役に立てればいいなと思っています。
高校生のときに発覚した「多嚢胞性卵巣症候群」
そもそも、私は「多嚢胞性卵巣(たのうほうせいらんそう)症候群」でした。多嚢胞性卵巣症候群とは、排卵障害の原因の一つとなる病気です。卵巣の中にある卵胞は、本来そのうちの一つが成熟して排卵されますが、多嚢胞性卵巣症候群では、卵巣の中で卵胞が鎖のようにつながっていて、どれも成熟せず、排卵もされないのです。そのため、次第に卵巣の表面が硬くなって、さらに排卵しにくくなります。
多嚢胞性卵巣症候群の症状は、生理不順や無月経です。私の場合、思春期になって生理が始まりましたが、すぐに来なくなり、来たり、来なかったりを繰り返して、だんだんとその間隔が長くなっていきました。これはおかしいと思い、受診しようと思って病院を探しましたが、当時は「産婦人科」として「産科」と「婦人科」が併設されているところがほとんど。「高校生なのに妊娠したの?」と思われるんじゃないかと思って、すごく受診しづらかったです。意を決して受診したのは、18才のとき。そこで多嚢胞性卵巣症候群と診断されました。
そのときの先生からは、ピルを飲むように指示されました。ピルを飲むことで、ホルモンバランスが整い、生理周期が規則正しくなるという話でした。あまり飲み続けると、体が自分自身の機能として生理を来させることができなくなるため、3カ月続けて飲んだら休み、生理が来なかったらまた飲むというやり方でした。
ただ、そのころの私は、「毎日ちゃんと飲まなきゃ! 飲んだらちゃんと生理が来る!」と思っていただけでした。生理が毎月来るというのはどういうことか、それがどんなに重大なことか、考えたこともなかった。ただ言われるままに薬を飲んでいました。