“セックスレス”という言葉がすっかり定着し、その状態にある夫婦は珍しくなくなりました。それどころか、下手をするとセックスレスの夫婦のほうが多い、といった傾向も出てきています。

 一方、セックスレスでも仲良しという夫婦や、セックスはしないけれどもスキンシップはよくするという人もいます。共働き家庭が増え、夫婦の役割やその在り方も多様化が進み、「かくあるべき」という伝統的な夫婦像が崩れつつあるようです。

 夫婦にとってセックスとは、どうしても必要なものなのでしょうか? 今回日経DUALでは、夫婦のセックスレスとスキンシップの在り方について徹底的に取材しました。ここまで読者アンケート結果をもとに、女性の本音、男性の不満について明らかにしてきましたが、ここからは解決編です。

 夫婦のセックス問題は、なかなか身近な人には聞きづらいもの。そうお悩みの読者に代わって、夫婦仲コメンテーターとして多方面で活躍し、1万3000人超のコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」を運営するセックスレス改善専門家の三松真由美さんと、婚活コンサルタントとして300人以上の男女を結婚に導き、数多くの夫婦間の相談を受けているかりゆしたつやさんに、編集部が根掘り葉掘り聞いてきました

 一部、刺激的な内容につき、お読みになる前に周囲をご確認ください。閲覧注意! でお送りします。

【“仲良しセックスレス”はアリ? 夫婦のスキンシップ特集】

第1回 “夜の営み”アンケート「セックスは好きですか?」
第2回 男女の性欲は加齢により変化 妻の本音と女性の体
第3回 妻としたい気持ちと折れる心 夫の自尊心と男の本能
第4回 閲覧注意! セックスの悩みに答える「直球Q&A」 ←今回はココ!
第5回 マンネリ夫婦の関係改善 スキンシップ&歩み寄り術
第6回 ゲイとレズの逆転夫婦「ノンセックスでも深い絆」
第7回 「でも、子どもは欲しかった」結婚23年目の初告白

「性欲は上下動するもの。株価と同じよ」

Q.パートナーとセックスはないけれど、スキンシップはあるし、仲は良いです。そんな“仲良しセックスレス”じゃダメなんでしょうか?

A.一時的ならOKですが、10年先も見据えて。

 「セックスレスでも夫婦関係が成り立っているのなら問題ないと思いますが、どちらかが本当はしたいと我慢しているのであれば、したほうがいいと思います」とかりゆしさん。

 三松さんも「妊娠や出産で性欲が減退していたり、仕事で大事な時期を迎えていたり、そういった原因がはっきりした一時的なセックスレスならノープロブレム」と同調するが、中長期的にはセックスレスのままでいいのか、よく考えるべきと提言する。

 「性欲は、年を経るにしたがって変化していくもの。常に上下する株価と同じようなものです(笑)。これは私が数多くのカップル、夫婦から相談を受けてきた中での個人的な意見ですが、女性のセックスの快感は年齢によって大きく変わります。例えるなら、20代のセックスがキャンディーだとしたら、40代はデコレーションケーキ。本当にオーガズムを体験していれば、それくらい違うと思います。

 夫によく考えてほしいのは、仮に30代前半でセックスレスになったとして、今はそれでよくても、10年後にその性欲を持て余した妻をいきなり満足させられますか? 仕事のプランは3年先、5年先を見据えて考えますよね。セックスも同じこと。先々のリスクを織り込んで考えておく必要があるんです。

 今は様々な体の変化もあって妻がセックスに積極的ではなかったとしても、その状態がいつまでも続くと思うのは大間違いです。セックスレスの原因の一つは、妻がまだ開発されていないこと。その一方で、40代以降の熟年で性生活がすごく充実する人もいる。今、熟年の性の二極化が進んでいると感じています」

≪次ページからの内容≫
・セックスのプライオリティーをはっきり伝えて
・スキンシップで安心するな
・夜だけ「いいだろう?」は「はぁ?」
・断るときは言葉選びが重要
・性の嗜好はオーガズム体験でガラッと変わる
・最先端のグッズを活用しよう
・「この体位がよかった」とフィードバックを