旧小学校校庭でのびのび遊び放題!

 さて、保育所の中身に注目したい。一般の利用者にとっては認可外保育所となるが、それでも希望者が多い理由はいくつかある。

 まずは、廃校となった小学校を再利用した広々とした園舎だ。8年前に順天堂大学が借用し、一部は事務所や研究施設が入っているが、1階のほとんどのスペースが保育所の園舎となっている。小学校ならではの広い校庭は、コの字型の校舎でほとんど外から見えず、車の往来の多い大通りに面しているにもかかわらず静かで木にも囲まれていて、子どもたちが安全に走り回れるスペースは十二分。近隣の公園にお散歩に行くことはもちろんあるが、広い校庭には夏ともなれば年齢ごとのプールを悠々出せ、特に運動会をこの場所で開くことができたりするのは、都心の園ではなかなか珍しく魅力的だろう。

 「校舎自体は、職員や学生も利用しており、体育館は学生のトレーニング場になっているので園児以外の出入りはあります。しかし、学校の門には警備員が常時いたり、園児が校庭で遊んでいるときにはトレーニング場の学生利用者は校庭を迂回して通ることになっていたりするので、安全も確保されています。ですから、ヨチヨチしているような小さい子から幼児まで、みんな思いきり遊ばせてあげられるのは、本当に恵まれていますよね。お迎え後もお母さんたちの手をすり抜けて遊びに走り回る子どもたちが多いですよ(笑)」(坂井所長)

一歩中に入ると開放的な校庭が広がる。その先に保育園の入り口がある
一歩中に入ると開放的な校庭が広がる。その先に保育園の入り口がある

 学内全体を見守る警備員も、毎日子どもたちの登園を温かく見守るうちにすっかり顔なじみになり「今日はあの子がお休みだね」と気づくほどになった。帰りには、子どもたちは警備員と手をタッチして、ニコニコ帰っていくという。

 さらに、校舎の保育園玄関の横には、病後児保育の玄関がある。登録は別々になるため、親は利用の必要があれば別途登録や予約をして利用することになるが、慣れた保育園と同じ建物内に病後児保育があるのは子どもにも親にもホッとする環境だろう。もちろん健康診断などには、運営する順天堂大学の小児科などの医師が来てくれるため、何か心配事があったときも保育士も相談しやすく、順天堂大学には小児科などに加え、発達外来などもあり、病院との連携も取りやすいのは心強い。

元々あった教室内の蛇口は低く作られており、幼児にもぴったり。小学校だったことで活用できる設備が多いという
元々あった教室内の蛇口は低く作られており、幼児にもぴったり。小学校だったことで活用できる設備が多いという