ママたちの将来を支援する“保育シェアリング”

 長い歴史を持つこの事業所内保育所には、他の園でも取り入れてほしいと願う利用制度がある。「保育シェアリング」だ。保育園を利用したい人は多いが、都心では希望者が多いために週5日でフルタイム(8時間)勤務であることは最低条件というくらいで、それでも入れないというくらいになっているのが現状。そうなると、「預けて少しずつ働き出したい」「週3日しか働いていないけど、預けられなければそれさえも働けない」という人は、保育園に入るのは到底難しいのだ。

 この保育シェアリングは、例えば「週3日だけ仕事がある」Aさんと、「週2日だけ預けて研究をしたい」というBさんをマッチングし、2人で週5日の園児1人分の枠をシェアするという制度だ。

 「大学には、研究者や大学院生などフルタイムで預けなくてもいいけれども子どもを預けなければ仕事や研究ができない人々も多くいます。そういう方々の将来へのステップのためにも預け先を確保するために、保育シェアリングを行っています。現在は学内の利用者に限っていますが、運営する男女共同参画推進室で希望者同士をマッチングしています」(下原さん)


人数の多い1歳児は、少人数のグループごとに先生がついて食事のサポートをしている

 利用者は、その利用割合に合わせて利用料を払うことになり、負担も相応で済むのはうれしいところ。順天堂大学では、「1カ月のうち利用日が10日を越さないこと」「担当教授の推薦や学校への貢献度がわかること」などの条件を設け、優先順位を決めている。

 週数日の勤務でも預けられることによって、将来的にフルタイムで働けるようにキャリアを築いていけるサポートがあれば働き出したいという人は多くいるはずだ。これは、さらに幅広い園や自治体で取り入れてもらいたい取り組みだと感じた。