二人目不妊の体外受精 卵巣刺激の方法がポイント

 体外受精では、複数の卵胞を育てて採卵するために、排卵誘発剤で卵巣を刺激します。二人目不妊の場合、卵巣刺激の仕方にコツが。

「二人目を希望する方には、双子は避けたいと考える人もいます。その場合は弱めに卵巣を刺激して、たくさんの卵胞が育たないように調整することもあります。また、卵巣過剰刺激症候群になって入院するような事態になれば、上のお子さんを抱えてでは大変ですので、それぞれの卵巣の状態を見極め、適した卵巣刺激法を選択します」(吉田先生)

自分でできること まずは性交渉回数を増やす努力を

 二人目不妊を改善するために、パートナー同士で取り組めることを吉田先生にアドバイスしていただきました。

体力作り

「精子も卵子もいい状態の体があってこそ。良質な食事、適度な運動、十分な睡眠をとりましょう。ホルモンの状態なども改善できます」

基礎体温を測る

「基礎体温は測るほうがベターです。ただ、お子さんがいると毎日決まった時間に測るのは難しいので、目が覚めたときに測ればOKです。計測がストレスになるようなら、測らなくても構いません」

排卵日に関係なく性生活を習慣づける

「子どもを持つと性生活が少なくなる人が多数ですが、排卵日とは関係なく、“毎週金曜日はセックスの日”などと決めて、習慣づけてほしいと思います。排卵日だけの義務になると、男性がプレッシャーを感じて勃起がうまく行かなくなることもあります。また、セックスを定期的にすれば、脳が刺激されて質のいい卵子が排卵される確率が高まります」

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 仕事と育児をこなすだけで必死な毎日のなか、二人目を育てられるのかという不安や、産休・育休取得のタイミング、夫の協力の有無などにより、二人目妊娠をためらうこともあるかもしれません。

 性交渉回数の減少や加齢などの影響で、二人目不妊になる可能性は誰にでもあります。いずれ二人目を持ちたいと考えているなら、早めに決断することも必要なのかもしれません。

(取材・文/中島夕子 イメージ写真/鈴木愛子)

吉田淳

木場公園クリニック院長。産婦人科・泌尿器科医。生殖医療専門医・臨床遺伝専門医。医学博士。経営学博士。1999年木場公園クリニック開院。女性不妊症・男性不妊症の両方を診察・治療できる、日本では数少ない生殖専門医。2014年「二人目不妊治療専用フロア」をオープン。http://kiba-park.jp/