キシリトールの効果的な取り方は?

 キシリトールは食事の直後や、おやつを食べた後に食べると効果的です。歯みがき嫌いなお子さんでは歯みがき後のご褒美として使ってもよいですね。また、寝る前に取ることも理にかなっています。

 子どもが一生使う歯を育てるのは、乳歯を守ることから。そして、親子で歯のケアをしていくことが大切ということがお分かりいただけたでしょうか。毎日のホームケアは、歯医者さんの健診を受けることと並んでとても重要です。毎日の歯みがきでフッ素による歯の強化をすること、キシリトールを与えてミュータンス菌対策をすること。どちらも子育ての中でできることなのです。

乳歯ケアについてのQ&A

 乳歯ケアのお話の後、勉強会に参加したママとパパから、倉治先生にたくさんの質問が飛び出しました。その中からいくつかをご紹介します。

Q 今、1歳7カ月でまだうがいができません。フッ素入りのジェルで歯みがきして大丈夫?

A 本来は「ぶくぶくぺー」ができるようになってから、歯みがき剤を使うのが原則です。食品添加物が原料となっていて、研磨剤が入っておらず、フッ素の含有量が赤ちゃん向けの非常に低い濃度のものであれば、量を守って使えば大丈夫です。また、歯みがきが終わった後、ガーゼなどで拭き取ってあげるとよいですね。

Q 夜、泣いて起きた時に母乳をあげて、そのあと歯みがきができません。むし歯の原因になる?

A 大丈夫です、母乳だけではむし歯になりません。もっといえば、乳糖(母乳の糖分)ではむし歯になりません。ただし、日中の歯のケアがきちんとできていることが条件。歯の表面に歯垢(プラーク)が残っていると、乳糖からむし歯になってしまいます。また、スポーツドリンクや乳酸菌飲料のような砂糖が入っている飲み物を、歯みがき後にあげるのはNGです。

Q くしゃみなどで飛んだ唾液から、ミュータンス菌は感染しますか?

A くしゃみやおしゃべりで飛んだ唾液から感染する可能性はかなり低いといえるでしょう。口から出た直後の唾液1㎖で感染するというデータがありますが、1㎖の液体はスプーンにちょっとたまるくらいの量なので、かなり多いですね。もちろん、他の菌の感染症はあるかもしれないので、くしゃみやせきをするときには口を押さえてほしいですが、顔の近くでおしゃべりしただけでは感染しないと思って大丈夫。それよりも、必要以上に赤ちゃんとのスキンシップを怖がらないでほしいです。ほっぺならキスしても大丈夫ですよ。安心して子どもと接するためにも、まずはママ・パパのむし歯治療をしてミュータンス菌を減らす努力をしてくださいね。

(上2点)熱心に質問をする参加者の様子。(下-左)会場には乳歯ケアグッズのサンプルが展示され、手に取る参加者の姿も見られました。(下―右)倉治先生のお話の後には、ピジョン担当者による、乳歯ケアグッズの解説が行われました
(上2点)熱心に質問をする参加者の様子。(下-左)会場には乳歯ケアグッズのサンプルが展示され、手に取る参加者の姿も見られました。(下―右)倉治先生のお話の後には、ピジョン担当者による、乳歯ケアグッズの解説が行われました

(取材・文/関川香織、撮影/鈴木智哉)