3人きょうだいの長男。でも妹が一番しっかり!

―― 小さいころに読んだ絵本で覚えている本は?

横山 特に印象深いのは『泣いた赤鬼』です。悲しい結末なんですが、赤鬼と青鬼の友情が幼い心に響くものがありました。

―― 『ふうせんいぬティニー』の決めゼリフは「なんだかふしぎ」ですが、『おかあさんといっしょ』のうたのおにいさん時代、子どもたちを見ていて「不思議」と思ったことは?

横山 初めて会う子どもたちから当たり前のように「おにいさん!」と話しかけてもらえたのは、不思議というかうれしかったですね。ちゃんとテレビを通して心が伝わっているんだなぁと。

―― 『くまのがっこう』のジャッキーには11人のお兄さんがいますが、横山さんには何人ごきょうだいがいますか?

横山 僕は長男で、3歳下の妹と5歳下の弟がいます。真ん中の妹が一番しっかりしていて、子どものころは妹がテレビのチャンネル権を握っている感じでしたね(笑)。末っ子の弟は、スイーツを1人で全部食べちゃうジャッキーと似ているかな。大好きな唐揚げがおかずに出ると、弟が先に食べて僕が怒ったりして。「ご飯と一緒に食べてよ!」なんてことをしょっちゅう言っていました。でも、弟はお兄ちゃん子なので、どこにでもついてきましたね。

見守り型の父、行動あるのみの母 2人のおかげで今の自分が

―― 『おかあさんといっしょ』のうたのおにいさんになるのは夢だったそうですが、夢をかなえるまで、ご両親はどのように応援してくれましたか?

横山 父はどちらかと言うと見守ってくれる感じで、「好きなことがあるんだったら一生懸命頑張りなさい。それをお父さんとお母さんは全力で応援するよ」と言ってくれました。母はいつも行動あるのみという考え方で、「あれはやった? これはやった?」ときちんとチェックをしてくれました。僕はもともとアクションを起こすタイプではなかったので、音楽大学の講習会を勧められても、「え~、別に今すぐじゃなくていいよ~」なんて反応をしてしまったりしたんですが、母は「いや、今しかチャンスはないんだよ」と促してくれました。それがなかったら、今の自分はなかったと思いますし、本当にありがたかったと感謝しています。

ウィーン少年合唱団の映画を見て一緒に歌いたい!と思った

―― 歌を始めたきっかけは?

横山 母が音楽が大好きで、『青きドナウ』という映画を見せてくれたんですね。主人公がウィーン少年合唱団に入って、寮生活を通して歌や友情が描かれていくという物語なんですが、その映画を見たときに歌うことにすごく興味を持って、「ウィーン少年合唱団に入りたい! 彼らと一緒に歌いたい!」と思ったことがきっかけです。3~4歳のときだったんですけど、彼らの楽しそうに歌っている姿と、天使のような歌声が心に響いたんだと思います。

―― 3~4歳のときに芽生えた思いをずっと保って、歌を続けられたのはどうしてでしょうか?

横山 僕は強制されると続かないみたいなんです。ピアノやエレクトーンは、親に練習しろと言われるのが嫌で、途中で挫折してしまったんですけど、歌は本当に自分から好きになって、好きという気持ちがずっと続いたんだと思います。