こうあるべきといった、これまでの父親像に縛られることなく、それぞれの家族にとって最適なカタチを模索しつつ、妻と共に自分らしく育児を楽しんでいる。そんなパパたちに、子育て中のパパライターがインタビューするこの連載。自身が追い求める理想の父親像とともに、育児や家族への考え方、仕事観などについてお話をお聞きします。

 第3回は、ここ最近話題になっているコインランドリーとカフェが融合したソーシャル・ランドリー「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」のプロデューサーとして活躍する2人の娘を持つパパ、松延友記さん。オープンしたばかりの同店にお邪魔させていただき、お話をお伺いさせていただきました。

<上編はこちら> 「父が偉い」に昔から違和感 新たなパパ像を模索

オシャレなパパは“ゆる家事”スタイルで洗濯&アイロンがけ

── これまで育児中心にお話をお聞きしてきましたが、家事に関してはどのような感じでしょうか?

松延友記さん(以下、敬称略) 基本的には休みの日が中心ではありますが、スーパーダディ協会でも提唱している「ゆる家事」スタイルでやっていることがほとんどですね。ゆる家事というのは、パパが積極的に家事をするんだけれども、ゆるくのんびり、楽しく家事をすること。だから、ゆる家事なんです。楽しく家事をするためにビールなどを飲みながらとか、音楽を聞きながらとか……。

 僕の場合は主に洗濯です。あとは、お風呂掃除だとか庭仕事、靴磨きとか。そういったところを担当しています。僕は基本的に仕事でワイシャツをよく着るんですね。ジャケパンスタイルが多いのですが、オシャレするのが好きだということもあってアイロンがけはずっと僕の仕事です。革靴もよく履くので、靴磨きも自分でやっちゃいたい。ついでに子どもたちのスニーカーもキレイにしたり、妻のブーツだとか革靴も一緒に磨いたりといったこともしています。あと、娘たちのランドセルを年に何回か手入れしてピカピカにするといったこともありますね。

 なかでもアイロンがけに関しては、もう10年以上続けています。それが高じて、最近はアイロンがけのワークショップなども仕事としてやらせていただくほどですから、自信アリです!

 アイロンがけのコツは、洗濯したときに脱水し過ぎないことがけっこう重要。干すときにある程度、シワを伸ばしてからというのがポイントです。しわくちゃになったワイシャツなどはアイロンがけするときにけっこう大変なんですよ(笑)。そうなると霧吹きをしてぬらさないといけなくなります。

 アイロンがけは、細かいところからやっていくこと。いきなり大きい面からやってしまうとどうしてもシワが残ってしまいがち。そういったコツをいつもワークショップではアドバイスしています。

 ゆる家事するのは僕の場合、土日の朝が多いですね。平日と同じく朝5時くらいに起きて、家族みんながまだ寝ているときに音楽を聞きながらといった感じです。これはもう、僕にとって定着したライフスタイル。単純に洋服とかファッションが好きですし、アイロンがけしてキレイに仕上がると気持ちがいいじゃないですか。だから、自分でやっちゃいたいっていうのがあります。

── 料理なども作ったりしますか?

松延 基本的に休みの日はなるべく料理をするようにしています。男の料理って感じですが、もともと関西出身なので、お好み焼きだけは譲れませんね(笑)。あとはギョーザとかパスタなども得意料理なので、僕の担当です。

 自信があるのは、やはりお好み焼き。娘たちも「お好み焼きはパパじゃないとダメ!」と言ってくれるので、それだけはお店で食べることがない。「パパが作ってくれるお好み焼きが一番おいしい!」と娘たちが言ってくれるのがうれしいですね(笑)。

 基本は関西風ですが、ポイントとなるのは山芋を上手に入れること。あとは、キャベツをまずは手でちぎってから包丁で細かく刻むことです。そのほうがキャベツのうまみが出てきて、おいしくなりますから。最近は土日どちらも仕事で忙しくなったりして作ってあげることができないのですが、休みの日はなるべく僕がメーンで料理をするようにしています。

松延友記さん 忙しい日々を過ごす共働き夫婦にとって便利なサービスとなりそうな、話題のベルリン生まれのソーシャル・コインランドリー「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」のプロデューサー。中2と小6の娘を持つパパで、仕事柄、オシャレには気を使う。そのため、家事は洗濯とアイロンがけが得意でワークショップも開催している。パパが育児・家事に積極的に参加することを提案するパパ集団「スーパーダディ協会(SDA)」のメンバーで、NPO法人化に伴い理事に就任。子育てや家事がしやすい街づくりを目指し、新しいライフスタイルを提案し続けている。