こうあるべきといった、これまでの父親像に縛られることなく、それぞれの家族にとって最適なカタチを模索しつつ、妻と共に自分らしく育児を楽しんでいる。そんなパパたちに、子育て中のパパライターがインタビューするこの連載。自身が追い求める理想の父親像とともに、育児や家族への考え方、仕事観などについてお話をお聞きします。

 第3回は、ここ最近話題になっているコインランドリーとカフェが融合したソーシャル・ランドリー「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」のプロデューサーとして活躍する2人の娘を持つパパ、松延友記さん。オープンしたばかりの同店にお邪魔し、お話を伺いました。

新しいライフスタイルを提案するパパ

── コインランドリーとカフェが融合したオシャレなスポット「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」が話題になっていますが、そのプロデューサーを務めているのが松延さんなんですよね?

松延友記さん(以下、敬称略) 僕の務めている会社は藤栄という、本社が名古屋にある家具やインテリア、家庭用品などの雑貨の商社です。大阪出身なので、大阪の営業店で雑貨の営業をしていたのですが、東京都内にあるマーケティング本部に配属されることになって、それから手掛けた仕事がこのウォッシュサロンです。プロデューサーという形でやらせていただいておりますが、メディアでも多く取り上げていただいていて、うれしいですね。

── 洗濯している合間にオリジナルブレンドのおいしいコーヒーを飲めるし、洗濯代行やクリーニングのサービスもあって、忙しい共働き夫婦にとっても新しいライフスタイルの提案をする話題のスポットという感じがします。

松延 そうですね。働く女性だけでなく、共働き家庭のご夫婦のような、忙しい日々を過ごす方たちに特にご利用いただきたいサービスを提供しているお店です。「ソーシャル・ランドリー」という言い方もされますが、まずは学芸大エリアにオープンした1店舗目をしっかりと定着させて、今後は都市部を中心に展開しつつ、新しいライフスタイルの提案をしていきたいと思っています。

── ご夫婦、家族のこれまでについて簡単に教えてください。

松延 妻と中2の長女、小6の次女の4人家族です。結婚して14年目になるので、妻と前職で知り合ったのは15年ほど前。ほぼ、僕の一目惚れみたいな感じです(笑)。27歳のときに結婚して、今、41歳。結婚して1年目で長女が生まれました。

 長女の出産を機に妻は退社。しばらく専業主婦でしたが、最近は週4回程度、パートで働いています。純粋な共働きではないのですが、妻が土日のどちらかに仕事に出かけることが多いので、僕は週末を中心に家事や子育てに積極的に関わっているといった感じです。

 もともと大阪出身で勤務地もそうだったので、結婚したときは大阪に住んでいました。そして、上の子が2歳、下の子が0歳のときに東京への転勤が決まった。長女が生まれたころ、既にマンションを購入していたので「家も買っちゃったのにどうしよう!?」と僕のほうが動揺していたのですが(笑)、妻が「サラリーマンやっているんだから行くしかないやん!」と背中を押してくれました。それで、腹をくくって東京に出てきたという流れです。

── 松延さんのなかにあった父親モデルはどういったものでしょうか?

松延 私の父親も母親も小学校の教師という共働き夫婦でした。父親は昔ながらのバリバリの九州男児といった感じで、家事も育児も母親がするものといった感覚だったと思います。だから、食卓を囲むときの雰囲気が他の家族と違った。僕の母親は決してみんなと食卓を囲まないんですよ。母親はいつも父親と僕と姉が食べ終えた後にササッと食べるみたいな感じでした。

 家族のなかで一番偉いのは家長である父親であり、その次が長男みたいな。そんな感覚が色濃く残っていたので、子どものころは自分の家なのにものすごく違和感を感じていました。悪く言えば男尊女卑的な雰囲気。それが、ものすごく嫌だなって。

松延友記さん 忙しい日々を過ごす共働き夫婦にとって便利なサービスとなりそうな、話題のベルリン生まれのソーシャル・コインランドリー「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」のプロデューサー。中2と小6の娘を持つパパで、仕事柄、オシャレには気を使う。そのため、家事は洗濯とアイロンがけが得意でワークショップも開催している。パパが育児・家事に積極的に参加することを提案するパパ集団「スーパーダディ協会(SDA)」のメンバーで、NPO法人化に伴い理事に就任。子育てや家事がしやすい街づくりを目指し、新しいライフスタイルを提案し続けている。