国会時期や予算時期という大きな流れに加えて、僕らは自分たちでコントロールできる仕事が意外と少なく、様々なところから仕事がくるのをさばきながらやっています。だから組織全体で考えたとき、どうにもならない長時間労働の現状があるという…。さらに、社会が変わる中でどんどん出てくる新しい行政課題にも全力で取り組む必要があります。当然、組織としてさばかないといけない業務量は多い。

 そういう現状がありますし、僕も日本を良くするために少しでも仕事を進めたいという思いがあるので、いつも早く帰れるかというと難しい。

「週に1回は保育園のお迎えに行きたい」と上司に直接相談

 そういった今すぐどうにもならない面はあるにせよ、長男が生まれるときに直属の上司に自分から話をしました。

 仰々しく面談したわけではなく、いよいよ出産だという時期は「陣痛がきたら帰らせてください」と伝えていました。産後に妻が育休から復帰するときには、「週1回、少なくとも2週に1度は自分が保育園へお迎えに行きたいから早く帰らせてほしい」「子どもが熱を出すなど、急きょ休みをもらうことが増えます」と早めに伝えました。

 まず課長と話をし、課長補佐である直属の上司と細かい仕事の分担などを調整しています。

 今、管理職に就いている先輩たちは、父親であっても、濃密に子育てに関わってきた方は多くないと思います。残業もいとわず猛烈に仕事をしてきた方々です。でも、だからといって、少なくとも僕がついてきた上司は部下に同じような働き方を求めるようなことをされたことはないです。長時間労働の是正やワーク・ライフ・バランスの流れに意識的だし、かなり寛容に対応してもらっています。

 一方で、長時間残業ができないから重要な仕事を任されない、ということもありません。僕も、特に重要だと思う業務や興味がある業務にどんどん手を挙げます。育児をやりたいということと、重要な仕事、面白い仕事をやりたいということは背反しないですから。

 ただ、妻のほうは、「残業ができないどころか、定時より早い5時半に帰るというと、仕事を任されるのが難しくなる」と言っているので、このあたりは意識が変わっていくといいなと思います。