自分でやってみると実感しますが、お迎えから、子どもに食事をさせて、お風呂、寝かしつけまでを1人でやるのは大変です。特に、次男はまだ離乳食だから3歳の長男と同じものは食べられないし、2人の動きや要求も別々なので目まぐるしい。僕は妻が作り置きしてくれた食事を子どもと一緒にとっているだけですから、これが「帰宅後に料理」ともう1タスク入ると、さらにハードですよね。

 そんな忙しい状況はよく分かるし、妻も「大人の手が2人分あるだけでかなり楽」と言います。この時間帯に妻が1人でやることにならないよう、なるべく家に居たいと思っています。21時を過ぎて帰宅すると、もうほぼ終わっていて子どもたちは寝ている。それだと戦力としてはほとんど意味がないんですよね。

子どもが生まれる前は終電後にタクシー帰宅も

 働き方への意識が大きく変わったのは、長男が生まれてからです。

 中央官庁が集う霞が関一帯を指して“不夜城”と呼ばれるなど、どこの省庁も残業が常態化しているところはありますし、残業をするほうが頑張っていると評価が高くなる文化が今も残るところは否定できません。僕もそうですが、そんな省庁勤務の忙しさを覚悟したうえで、日本を良くしたいという思いで入省を希望する者がほとんどですから、成り立っているところもあると思います。

 残業をせざるを得ないシステム面の事情もあります。メーン業務に加えて、例えば1~6月の国会期間中は国会対応(国会での大臣や副大臣などへの質問に対し、担当部署が翌朝までに答弁を作成する)があり、当たったときはタクシー帰宅することも多いです。当たるかどうか分からないから職場で待機し、その解除が終電間際になることもあります。

 あとは予算の時期…。7~8月は、概算要求(各省が財務省に対して翌年度の予算を要求する)を省として取りまとめることに追われますし、年末に政府予算案が閣議決定される前には、財務省との調整や折衝で忙しくなります。僕も終電に乗れず、2時、3時とタクシー帰宅が続くことは少なくありませんでした。