褒めて伸ばすから、19時までの学童も疲れないし楽しい!

 14時50分ごろに学校の授業が終わると、スナックタイムを挟んで学童保育の時間になります。曜日によっては学童保育に参加せずに帰る子どももいますが、現在はほとんどの生徒が、保護者のお迎え時間まで参加しています。ここでもさらに、英語を使って遊んだり、カポエイラなど体を動かすプログラムがあったりと、カリキュラムは盛りだくさん。この学童、「トライリンガルキッズ」では、他の小学校に通っていて、放課後だけここに通う子どももいます

 1日中、学校の授業を休みなく受けて、さらに最長19時までの英語の学童となると、みんな疲れてしまって英語で話したがらないのでは? という質問をされることがあります。でも、ここではみんな疲れている様子はありません。それは、やはり楽しいからでしょう。学校でも塾でも、子どもは楽しいと感じたら、どんなに疲れていても元気は復活し頑張れるんです。

 学童ではただ楽しく遊ばせるということにも、いい面はあるかもしれません。でも、もし学校教育だけではうまくいかない部分を、放課後の学童や塾の時間で補いたいと思うのであれば、漫然と遊んでいるわけにはいかないでしょう。何かに挑戦したり、色々な本に出会って読書が好きになったり、内容は様々でいいと思います。いずれにしても楽しくないと勉強はできるようになりません。通うことでかえって英語がストレスになって疲れてしまうようでは、意味はありません。

できることが増えたら、笑顔でたくさん褒める!
できることが増えたら、笑顔でたくさん褒める!

 子どもが楽しいと感じるためには、褒めることが大切です。それはペーパーテストの点数をほめるのとは違い、新たな発見をしたり、アイデアを思いついたり、何かできるようになったりしたことを褒めること。例えば、体育が苦手でやりたくないと思っていた子で、ブリッジだけは得意という子がいました。そこを褒めて頑張らせたら、だんだん他のことにもやる気が出てきました。こうしたことがどの授業でも大切なんですね。

 学校でも学童でも、先生サイドが「考える力を伸ばす」意識を持っているかどうかということが非常に大事です。せめて親が宿題を見るときだけでも、考える力を伸ばす方向で指導できたらという声もありますが、公立小学校ではもともとの宿題が考える力をつけさせるような内容ではないという問題があります。では学校は諦めて塾に任せようといっても、受験のためのテクニックを学ぶだけの塾では、受験は突破できるけれど、クリエーティブな仕事はできない人が育ってしまう。学校や学童を選ぶときには、子どもの将来を考えると思いますが、なってほしい人に育てる場所であるかどうかを基準に選ぶことが大切ではないでしょうか。

(取材・文・構成/関川香織 撮影/坂斎 清)