母国語を大切にすることは自分の軸を作ること

 日本語は日本人にとって母国語、軸になる言葉。バイリンガルというと、母国語と他国語を行ったり来たりすることになりますが、自分自身のアイデンティティーを確立して、どこに帰属するのかをはっきりすることは大切なことです。また、母国語を論理的に使えるようになっていないと、物事を理論的に考えることができません。日本語は言語として非常に難しいのも事実。書き言葉の中に、4種類の文字があり(漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字)、丁寧語、謙譲語など非常に複雑です。子ども時代から習得しないと使いこなすのには本当に時間がかかる言語です。だから、英語だけでなく日本語の授業にも力を入れています。日本語の読み書きが中心の国語の授業と、百人一首や俳句などを教材にした「古典に親しむ」の授業の2種類があります。

 

生徒たちが主人公のオリジナル教材について説明する、副校長の竹内かおりさん
生徒たちが主人公のオリジナル教材について説明する、副校長の竹内かおりさん

 国語の授業では、オリジナルのテキストを作って展開することもあります。国語力を育てるには、たくさんの文章を読むことが大切。本をたくさん読める子になるために、まずは本に興味を持ってもらうことが先決です。例えば、登場人物に子どもたちの名前をもじった名前をつけて書いたオリジナルの小説をテキストにして、文章の読み解きをしています。自分が登場するのですから、興味も持つし次にどんな行動をするんだろうとワクワクして読むことになります。これを入り口にして、『十五少年漂流記』や『シートン動物記』といったジュブナイル、そして自分の好きなジャンルへと、読書の幅を広げてもらうのが目的です。日本語も英語を習得する時と同じで、たくさん読んでインプットしないと、使いこなすところまではいかないんですよね。そして、日本語も英語も使えるようになって初めて、数学や社会、理科といった他の教科も分かるようになります

書道ではみんなでコンクールに応募することも。各学年の課題の文字を練習。
書道ではみんなでコンクールに応募することも。各学年の課題の文字を練習。

「古典に親しむ」の授業では、百人一首大会も。
「古典に親しむ」の授業では、百人一首大会も。

プログラミングの仕組みは小1でゲームを作って学ぶ

 小1からプログラミングの授業があり、各自にタブレットを1台ずつ与え、プログラミングを学ぶアプリケーションソフトを使って行われます。実際に画面の中のキャラクターを上下左右にプログラムによって動かしたり、ボタンを何回打ったらゲームオーバー、どこに当てたら勝ちと、いったゲームプログラムを作ったりします。初めは、プログラミング用語は分からなくても、目で見て分かるアイコンを使ってプログラムを作ります。理解が進んだら、プログラミング用語を使うようになっていきます。

 プログラミングの授業は英語で行われます。これは、プログラミング用語は基本的に英語を使うからでもあります。簡単なコマンド(命令)にも、right、left、pop、shrinkといった英語が使われます。英語が分かるということは、プログラミングするには非常に有利なのです。