ハードとソフト、その両面から事故を防ぐ知見を共有していく

—— そもそも「子どもの遊び場は、安全なもの」という思いこみが親にはあります。その点はいかがですか?

遠藤 もちろん、子どもの遊び場に関係する様々な安全基準があります。例えば屋外公園や遊具は、国土交通省の指針に加えて日本公園施設業協会などが安全基準を設定。常設の施設であれば、そういった業界ごとの安全基準に加えて、独自のガイドラインを持っていると思います。

<span style="font-weight: bold;">遠藤幹子</span> 建築家。1971年、東京生まれ。東京藝術大学修了後、留学先のオランダに4年間暮らし出産・子育てを経験。帰国後、1級建築士事務所「office mikiko」、一般社団法人マザー・アーキテクチュアを設立。大人も子ども楽しく遊べる空間を美術館や公共施設を数多くデザイン。アフリカ・ザンビアで妊産婦死亡をなくすためのマタニティ・ハウスの建設プロジェクトも手がける。
遠藤幹子 建築家。1971年、東京生まれ。東京藝術大学修了後、留学先のオランダに4年間暮らし出産・子育てを経験。帰国後、1級建築士事務所「office mikiko」、一般社団法人マザー・アーキテクチュアを設立。大人も子ども楽しく遊べる空間を美術館や公共施設を数多くデザイン。アフリカ・ザンビアで妊産婦死亡をなくすためのマタニティ・ハウスの建設プロジェクトも手がける。

 ただし、最近はイベントやワークショップなど仮設で設けられる場も増えています。そういう場合、どうしても運営サイドの安全に関する経験値が少ないという課題も。「参加型」のものづくりや場づくりが人気なだけに、安全へのスキルやノウハウを主催者だけでなく、参加者も含めてより多くの人が共有できるシステムがあるといいですね。

今泉 私たちが「Make Play Safe勉強会」を始めたのも、昨年、「TOKYO DESIGN WEEK」というイベントで、小さなお子さんが展示物のジャングルジムが燃えて亡くなるという痛ましい事故が起きたのがきっかけでした。

 私自身、作り手であると同時に2歳の子どもの母親です。遊びを提供する側でもあり、利用する側でもある中で、「どうしたら子どもたちが安全に、思い切り遊べる場」がつくっていけるのか、事故を未然に防ぐためにどんなことができるのかを考えさせられました。

 遊具などのハードと運営というソフト、その両面から子どもの安全な遊びを守るために、もっと学びたい、何か動きたいという気持ちで立ち上げたのがこの勉強会です。

子どもの遊び場の安全を確保するための「Make Play Safe勉強会」の様子
子どもの遊び場の安全を確保するための「Make Play Safe勉強会」の様子