ペットボトルやお菓子袋、ボール、クーラーボックスが浮力体に

――靴を履いていない場合、ほかに浮力体として使えるものはありますか?

田村 ありますよ。では、レジャーに持って行きそうなものの中から、浮力体として使えるものをピックアップしてみましょう。

・空のペットボトル
・サッカーボール・バスケットボール・バレーボール
・クーラーボックス
・発泡スチロール箱
・500gの大きなお菓子袋
・お菓子袋の入ったリュックサック
・水汲みバケツ
・材木
・ランドセル

レジャーに持って行くものの中から、浮力体になりそうなものをピックアップ。このように、水の上に投げて浮かんだものは、浮力体になりやすい。履いている運動靴を投げてあげれば、浮力体になる
レジャーに持って行くものの中から、浮力体になりそうなものをピックアップ。このように、水の上に投げて浮かんだものは、浮力体になりやすい。履いている運動靴を投げてあげれば、浮力体になる

田村 いずれも、水と比較すると比重が軽いものばかり。水の上に投げてみれば、浮力体として使えるかどうか分かります。水に入る前に、身の回りのものを水に浮かべてみて、「これは浮力体になるね」と家族で確認してみてはいかがでしょうか。

 お菓子袋は、大型のスナックのように、中に空気が入っていて密閉されているようなもの。そういったお菓子が入っているリュックサックも、浮力体になります。水汲みバケツは、中に水が入らないように気をつけて抱えればいいでしょう。材木も浮力体として有効です。2001年3月11日の東日本大震災の津波でも、木材につかまって助かった人がいましたね。

――なるほど、水の上に投げると浮くものが浮力体になるんですね。普段からよく覚えておき、溺れている人を見かけたら、こうした物が近くにないかすぐに探すべきなのですね。溺れている子どもに投げて渡すとき、気をつけるべきことはありますか。

田村 1つは、溺れている子どもに「これから投げるよ」と声をかけたり、大きな音を出したりして、気付いてもらうこと。もう1つは、下から上に向けて投げ上げる「アンダースロー」で渡すこと。上から下に投げる「オーバースロー」だと、怖くて手が出せませんから。あとは、相手が手を伸ばして届く位置に、上手に投げてあげること。