配当利回りの平均は1.76%

 今回のテーマは、株式投資。株式投資といっても、いったい何をどう選んでよいのか、さっぱりわかりません……。

「株式投資については、『まとまった資金がないとできない』『元本割れが怖い』『株をいつ買っていつ売ればいいのかわからない』などという声を聞きます。確かに、一つの銘柄に資産全部をつぎ込むのは怖いもの。ですから“少しまとまったお金”ができたときに、そのお金で買うのがよいと思います」

 株を購入すると、3つのメリットがあるそうです。

(1)利益が得られる(買った値段より、売った値段の方が高かった場合)
(2)配当金がもらえる
(3)株主優待として物品をもらえる(株主優待がある会社の株の場合)

 今回は、(2)と(3)の配当と株主優待について教えてもらいます。

「配当とは、会社として利益が出たら現金で株主へ返す仕組みのことで、“現金配当”といいます。株主が持っている株に対して見合った金額を株主へ渡します。配当は20.315%(復興特別所得税込み)の税金が引かれます。例えば配当が1万円なら、税金が20.315%引かれて、もらえるのは7968円になります。取引所が発表している平均配当利回りは実は約1.76%あります。仮に100万円投資していたら、1年で平均1万4000円(税引き後)もらえるというわけです。もちろん、どの株なのか、また業績などによっても異なりますが、定期預金の利息に比べて結構大きな金額ではないでしょうか」(武田さん)

“定期預金金利”と“株式配当利回り”。【出所】株式配当利回り:日本取引所グループホームページ「その他統計資料(株価平均・株式平均利回り)」定期預金金利:日本銀行ホームページ 「定期預金の預入期間別平均金利」
“定期預金金利”と“株式配当利回り”。【出所】株式配当利回り:日本取引所グループホームページ「その他統計資料(株価平均・株式平均利回り)」定期預金金利:日本銀行ホームページ 「定期預金の預入期間別平均金利」

 とはいっても、密かに「株式投資に100万円もお金をつぎ込めないよ……」と思っていたら、意外に小さな金額で始められるとのこと!

最近は10万円以下で購入できる好配当の銘柄がたくさんあります。昔は株の購入単位がほとんど1000株単位だったのですが、現在は100株単位が主流で昔より株を買いやすくなっているのです。例えば、“アートネイチャー”という企業の株価は721円(2017年6月27日現在)。100株単位で購入すると、7万2100円で買えます。配当利回りが3.88%なので1年間でおよそ2230円(税引き後)の配当金がもらえる計算です。その他、最低投資金額10万円以下で買える予想配当利回り3%以上の“好配当銘柄”には、スカパーJSATホールディングスや、みずほフィナンシャルグループ、レオパレス21、ヤマダ電機などが挙げられます。ただし、配当利回りは株価や業績によって変動します。保証されるものではないことにご注意ください」(武田さん)

 たくさん配当をもらっても20.315%の税金を取られるのがもったいないと感じてしまいますが、NISA口座(少額投資非課税口座)を利用することで、配当に税金がかからないというメリットがあるのだそう。

「投資で得た利益には基本的に20.315%がかかりますが、NISA口座では5年間、毎年120万まで非課税になります。120万円を投資して配当が3%つくとすると、3万6000円の配当をもらえます。通常の口座では、20.315%の税金がかかるので7313円の税金がかかりますが、NISA口座はこの7313円が非課税になります」(武田さん)

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