Hさんは夫に対して「直してほしい」部分があり、その解決のヒントを欲しいがための僕への質問だったんです。聞いてみると、こんな話でした。Hさんの談話のままお届けすると…

Hさん 夫は、お酒がとても好きなんです。私もかつては、お酒が好きでした。子どもが生まれるまでは、夫婦で仕事終わりに食事し、2軒、3軒…と朝まで飲み歩くこともしていました。子の誕生で私の生活は変わりました。以前ほどお酒は飲まないし、早く寝るようになりました。夫婦で飲みに出かける機会も減りました。

 にもかかわらず、夫のお酒を飲む夜型の生活は、ほぼかつてのまま。だいたい週3回は、仕事での会食の後に1人でも飲み屋やバーをはしごし、午前3時~6時に泥酔状態で帰宅します。体にも良くないし、とにかくお酒の量をもっと控えてほしい! 帰れるなら夜遊びせずに早く帰ってきて育児や家事をしてほしいし、家族で夕食を食べたい! さらに私のストレスになっているのは、泥酔状態で手もろくに洗わずにそのままの格好で、私が子どもと寝ているベッドに滑り込んでくること。外で雑菌にまみれた体で子どもに触れられるのが気持ち悪いんです! どうすれば、夫の酒好きや朝帰りグセは直るのでしょう?

「人は全く何も直らない」というのが大前提

 質問にある「直す」「直さない」ですが、人間は何も直りません。まったく何も直らない、との大前提から始めたほうがいい

 “変化”はします。「人が変わったようだ」なんて、かつての自分と今の自分を見比べた第三者に言われることはありますよね。

 僕の場合なら、ペットに全く興味がなく、むしろ動物のニオイが苦手なぐらいだったのに、今や自宅で犬を飼っています。誰に言われてもそらなかったアゴヒゲを、1年半ほど前にそりました。結婚して子どもが生まれ、何もかも変わったように映るかもしれません。

 でも、直らない部分は全く直っていません。「ものすごくしゃべる」とか「仕事がすごく好き」とか。Hさんの夫の場合ならば、「お酒が好き」「夜に遊ぶのが好き」のベースは矯正できないと考えるべき。