家族で「ひま」な時間をすごすのも、世界旅行なのだ

 昼間はそんな感動体験をしたのに、宿に帰ると、彼らは毎晩部屋を散らかし、ゲームをし、ソファでだらだらし、くだらないことでケンカをした。けれどきっとその間にだって、打ち寄せる波しぶきに匹敵するような世界との出会いがあったはず。その時は気づかなくても。

 夏休みは、子どもを忙しくさせておかなくちゃならない。共働きの宿命だ。だからせめて8月のお盆休みには、一家でぼうっとしてみるのもいいだろう。自宅で過ごすのでもいいし、旅先でだらだらするのでもいい。「うわあ、すごい!」も「暇だねえ」も、ここがどこかを教えてくれるのだ。