いつかは次男とも「親一人子連れ海外旅行」を

 実は旅行2日目に、留守番チームにも異変がありました。次男が保育園でおやつを戻してしまい、大事をとって翌日は休むことになったと夫からLINEがあったのです。離れていて何もできないことが気がかりでしたが、夫には「こういう事態も想定して、仕事を休んでも差し支えないように調整しておいたから安心して楽しんで」と言ってもらえました。

 ビデオ通話で次男の元気そうな姿を見て私もホッとしましたが、長男も夫や次男の顔が見られてうれしかったようです。時差が16時間あるので、バンクーバーが夜でも日本はまだ午前中。時差について説明すると、とても興味を持った長男。「僕が寝ている間に保育園のお友達はお散歩してるのかな」「バンクーバーが朝のとき、世界の他の国は何時なんだろう」と時差についてのトークが弾みました。これも、初めての海外旅行ならではの新鮮な驚きだったのではないでしょうか。

 帰りの便で長男はぐっすりと眠り、元気に帰宅しました。こちらもすっかり元気になった次男と感動の再会と思いきや、次男は照れてしまってなかなか近づいてきません。考えてみれば、長男と離れるのも、私と離れるのも、次男にとっては生まれて初めての出来事だったのです。

 「もう少し大きくなって物心ついてきたら、次男は寂しくて泣いたかもしれないね」と夫。確かに、このタイミングだからこそ実現できた長男との旅行だった気がします。

 ソファーですっかりくつろぎながら「バンクーバー楽しかったね。次は家族みんなでトロントに行ってみたいな」と長男。そうだね、家族みんなで行けたらいいよね。いつか5歳になった次男とも2人でどこかに行ってみたいなぁ。帰って早々ですが、そんなことを考えながら親一人子連れ初海外旅行は幕を閉じました。

イングリッシュベイにて。曇り空続きの中、突然晴れ間がのぞきました
イングリッシュベイにて。曇り空続きの中、突然晴れ間がのぞきました

(文・写真/樋口可奈子)