長男のひと言に、思わず涙

 楽しかった旅もいよいよ最終日。この日は朝から雨で、昼に空港に移動するまでどう過ごそうか迷いました。長男にリクエストを聞くと、一も二もなく「本屋さん!」との回答。ホテルの人に場所を聞き、雨の中バスを乗り継いで書店に向かいました。

ガラガラの店内でじっくり吟味。マーベルの本一冊と、次男へのお土産のトーマスのボードブックなどを購入。長男が本さえあればいくらでも時間が潰せるタイプということに、この旅で改めて気づきました
ガラガラの店内でじっくり吟味。マーベルの本一冊と、次男へのお土産のトーマスのボードブックなどを購入。長男が本さえあればいくらでも時間が潰せるタイプということに、この旅で改めて気づきました

 書店で一時間ほど過ごした後、私のリクエストでホテル近くの海を見に行きました。晴れていれば美しい景色の広がる港も、あいにくの天気。2人並んでぼんやりと風景を眺めていたとき、長男が思いがけない言葉を口にしました。

 「今降っている雨が、僕の上を通ってから海に流れて、日本にも流れていくんだよね。僕も海の水も、世界中どこにでも行けるんだよね

 長男よ、自分なりの世界の真理にこうしてたどり着いてくれたのか。何気ないひと言が胸に刺さり、思わず涙ぐんでしまいました。男の子であること、下の子がいるという家族構成から、長男と2人きりの旅はきっとこれが最初で最後。「長男のために」と企画した旅行でしたが、母にとっても忘れられない大切な思い出になりました。

晴れていればとても美しいというコールハーバーにて。いつか、天気のいいときに再訪したい……
晴れていればとても美しいというコールハーバーにて。いつか、天気のいいときに再訪したい……